馬産地ニュース

日本軽種馬協会が日高町と新ひだか町で講演会

  • 2016年02月18日
  • 胆振や日高から100名以上の牧場関係者が出席した日高町の会場
    胆振や日高から100名以上の牧場関係者が出席した日高町の会場
  • 競走馬のアシについて講演した田中弘祐装蹄師
    競走馬のアシについて講演した田中弘祐装蹄師
  • 骨疾患やレポジトリーについて講演した仙波裕之獣医師
    骨疾患やレポジトリーについて講演した仙波裕之獣医師

 2月16日と17日、日本軽種馬協会(JBBA)は軽種馬経営高度化指導事業研修事業の一環で、牧場関係者を対象とした講演会を開催した。

 16日は日高町にある門別総合町民センター、17日は新ひだか町にある新ひだか町公民館・コミュニティセンター。16、17日ともJBBA静内種馬場軽種馬生産技術総合研修センターの田中弘祐調査役による「アシのトラブルを学ぼうⅠ」と、同じくJBBA静内種馬場軽種馬生産技術総合研修センターの仙波裕之次長による「生産地における若馬の骨疾患」という2つの演題について講演が行われた。

 講演会に先立ち主催者を代表してJBBA静内種馬場軽種馬生産技術総合研修センターの中西信吾センター長は、2人の講師について紹介し、「本日はご多忙のところ、多数の方々にご出席いただきましてありがとうございます。今回は仙波獣医師と田中弘祐装蹄師が当研修センターで集めてきた、肢蹄管理、健康管理に関するデータなどをもとに、牧場関係者にぜひ知っていただきたい若馬の肢蹄の管理や骨の疾患に関して講演いたします。この研修会が皆様にとって有意義なものになりますことを祈念いたします」とあいさつした。

 1974年にJRA日本中央競馬会に入会し、競走馬保険研究所(現競走馬総合研究所)での装蹄業務に続き、美浦・栗東両トレセンにて競走馬の装蹄に習熟し、1984年には全国装蹄競技大会に優勝、1988年には指導級資格を取得し、その後、JRA日高育成牧場で競走馬になるための仔馬の肢蹄異常への装蹄療法に携わり、2008年からJBBAに出向して静内種馬場軽種馬生産技術総合研修センターにて、種牡馬、繁殖牝馬、仔馬の肢蹄異常の実態調査やその矯正技術の開発と普及に取り組む田中調査役は、昨年12月にJBBAが発行した冊子「生まれ来る子馬たちのために~アシのトラブルを学ぼう!~」をテキストに、肢軸異常、クラブフットの実態について説明。歩様や肢勢をチェックすること、状態を把握することの必要性を強調し、生産者・獣医師・装蹄師のコラボレーションを訴えた。

 1980年に東京大学農学部修士課程を修了し、日高地区農業共済組合に就職、三石の家畜診療センターに勤務し1991年より家畜診療センターのセンター所長として活躍し、2004年からJBBAに所属し、九州種馬場の場長を経て2006年から静内種馬場軽種馬生産技術総合研修センター次長として活躍する仙波獣医師は、DODといわれる若馬の骨疾患、DODと成長の関連性、市場レポジトリーの歴史や現状を報告。JBBAが1月5日から運用を開始した、軽種馬牧場管理ソフト「SUKOYAKA」の指標に基づいた栄養管理についても言及した。