ワールドエースがアロースタッドにスタッドイン
マイラーズカップ(G2) 、きさらぎ賞(G3)の覇者で、ゴールドシップ、ディープブリランテらと2012年牡馬クラシックを盛り上げたワールドエース(牡6歳)がJRA競走馬登録を抹消し、新ひだか町のアロースタッドで種牡馬入りした。
ワールドエースは父ディープインパクト、母マンデラ、母の父Acatenangoという血統で、安平町・ノーザンファームの生産。現役時代はサンデーレーシング所有馬として、栗東・池江泰寿厩舎からデビューし、父を彷彿とさせるキレ味を武器にきさらぎ賞(G3)、若葉ステークスと連勝し、一躍クラシック候補に名乗り出た。上位人気で迎えた皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)では同世代の強豪が集まる中、自慢の末脚を繰り出したが、ともに僅かの差で栄冠に及ばなかった。ダービー後は左前脚屈腱炎のため休養を余儀なくされ、5歳春から始動。復帰2戦目となったマイラーズカップ(G2)を1分31秒4のコースレコードで快勝し、改めて潜在能力の高さを示した。続く安田記念(G1)ではジャスタウェイの5着に敗れたが、前走の高速馬場とは対照的な不良馬場でも好走した。5歳秋以降は芝マイル~中距離重賞を中心に戦い、香港、オーストラリアにも遠征。白星こそ得られなかったが、香港マイル(G1) では日本馬の意地を見せるように4着に敢闘した。通算成績は17戦4勝(海外含む)。
アロースタッドには12月19日の午後1時30分に到着し、アロースタッド役員やスタリオンスタッフ、事務局の(株)ジェイエス職員ら15人が立ち会った。馬運車から降りると落ち着いた様子であたりを見渡し、スタッフによる馬体チェックを受けた。厩舎前でウォーキングすると素軽い足取りで、この父系らしい皮膚の薄さを感じさせた。(株)ジェイエスのチーフ・大西恵介氏は、「アロースタッド繋養種牡馬としては初のディープインパクト産駒となります。実馬を目の当たりにすると素晴らしい馬体で、ディープインパクトらしい雰囲気を感じますね。到着後も大変落ち着いていて、肝が据わっています。母系はドイツの実績ある血統で、そのあたりも種牡馬としての長所。現役時代、G1制覇を果たせなかった無念を、産駒で晴らしていきたいです」と、語っていた。
種付け料は受胎条件50万円で、フリーリターン特約付き。年内は種付けの練習をして、来シーズンに備える。