馬産地ニュース

三石軽種馬生産振興会が軽種馬講習会

  • 2015年11月24日
  • 講師を務めたノーザンファーム獣医師の津田朋紀氏
    講師を務めたノーザンファーム獣医師の津田朋紀氏
  • 主催者を代表してあいさつする三石軽種馬生産振興会の斉藤雅宣会長
    主催者を代表してあいさつする三石軽種馬生産振興会の斉藤雅宣会長
  • 分娩管理について出席者から多数の質問があった
    分娩管理について出席者から多数の質問があった

 11月20日夜、三石軽種馬生産振興会(斉藤雅宣会長)は新ひだか町三石本桐にある本桐基幹集落センターにおいて、ノーザンファーム獣医師の津田朋紀氏を講師に招き「母子の絆を尊重したサラブレッドの分娩管理」を演題にした平成27年度軽種馬講習会を開催した。

 講習会は日高管内軽種馬生産振興会と日高軽種馬農業協同組合が協力。当日は三石軽種馬生産振興会の会員をはじめ、浦河、静内、新冠、門別地区の牧場関係者約120名が出席し、会場は用意した席が足りなくなり椅子を追加するほど盛況を呈した。

 講習会の開催にあたり斉藤雅宣会長があいさつ。「本日はたくさんの方にお集まりいただきありがとうございます。私たち生産者の仕事は、繁殖牝馬を受胎させて無事に子を産ませることから始まります。皆様、自分なりのやり方で出産に立ち会っていると思いますが、今日は母子の絆を尊重したサラブレッドの分娩管理について津田先生からご教示いただきます。今日の内容が少しでも皆様のお役に立てればうれしいです」と祈念した。

 講師の津田氏は大阪府立大学卒業後、社台ホースクリニック、オーストラリア、ニュージーランドでの牧場研修を経て、ノーザンファームに入社。学生時代に三石地区で実地研修を経験し、北海道で働くことを決意したという。2011年には津田氏らノーザンファームの獣医師が2000頭以上のお産に立ち会ったデータをまとめた「サラブレッド新生仔管理におけるAPGARスコアを用いた健康状態評価の有用性の検討」を学会で発表し、日本獣医師会獣医学術学会賞を受賞している。

 津田氏はノーザンファームで行っている分娩管理を紹介。過剰な分娩介助を見直し自然に近い形でのお産にしたことで、分娩時間の短縮、後産脱落の時間短縮、育児拒否の減少などの効果をあげた。

 出席者からは「分娩のときに浣腸はしますか?」、「育児拒否した本馬へオキシトシンを注射することはあるのか?」、「分娩馬房は明るくしているのか?室温はどれくらいか?」、「子馬初乳の対処法を教えてください」、「子馬が下痢したときはどうしているのか?」など多くの質問が寄せられ、津田氏はそのひとつひとつの質問に対して丁寧に回答した。