穏やかな天候に恵まれた11月12日、最終日を迎えたホッカイドウ競馬では2歳牝馬による重賞、HBA賞・第3回ブロッサムカップ(H3)【ゼンノロブロイ賞】がダート内回り1600mで行われた。

　1Rに組まれた同レース、エントリーした2歳牝馬は10頭。1.2倍の一番人気に推されたのは、イノセントC(H3)、サッポロクラシックC(H2)と重賞を2連勝してここへ挑んできたリンダリンダ。メンバー中唯一の重賞ウイナーだけに、圧倒的な人気を集めた。2番人気はバトルプラン産駒のラッキーバトルで4.5倍。5戦3勝、2着2回という安定した成績で現在3連勝中の上がり馬だ。次いでフローラルC(H3)2着馬のクロフネ産駒、サダムフジコが14.4倍の3番人気でつづいた。

　レースは、人気のリンダリンダがスタート良く飛び出し楽々先頭へ。マラドーナスピン、モリデンサンバ、エムティーシャトルらが後につづく。向こう正面から3コーナーに入る辺りでラッキーバトルが進出を開始、気持ち良く逃げていたリンダリンダに襲いかかる。直線は後続を離し2頭の叩き合いになったが、残り200mでラッキーバトルがリンダリンダを突き放し、4連勝で重賞初制覇を飾った。勝ち時計1:41:5(重)はレコードタイム。2馬身差の2着にリンダリンダ、さらに1馬身差の3着はマラドーナスピンという結果だった。

　デビュー戦からずっと手綱を取っていた石川倭騎手は北海優駿(フジノサムライ)、旭岳賞(アウヤンテプイ)につづき今季重賞3勝目。表彰式のインタビューでは「能力のある馬で勝ててホッとしています」と笑顔。レース展開については「ゲート出が余り良くない馬で、後ろから行くことも考えていましたから、中団辺りの位置取りは想定内でした。まだ遊びながら走っている状態なので、なんとかリンダリンダとの併せ馬に持ち込みたかった。理想的なレース展開でしたね」と振り返った。

　2歳重賞最終戦を手にした原孝明調教師は「2歳戦ではなかなか重賞に出せる馬がいなくて出遅れ気味だったけど、最後に勝てて良かったよ。3連勝で調子は良かったし、距離も問題無い。ゲートで立ち遅れたことが唯一ヒヤッとした瞬間だったけど、乗り役が上手く乗ってくれた。まだまだ余力もあって元気いっぱいな馬なので、さらに上を狙えそうだね」と声を弾ませた。

　優勝したラッキーバトルは父バトルプラン、母マキハタターキー、母の父サザンヘイローという血統の2歳牝馬。日高町・槇本牧場のオーナーブリーディングホースで、前日行われた最後のウイナーズチャレンジ競走を制したパーソナルマキ(牡2、父パーソナルラッシュ)も槇本牧場&原孝明調教師のコンビ。後半に向かって調子を上げてくる馬が多かっただけに、ホッカイドウ競馬開催終了後も動向を見守っていきたい。