にいかっぷホロシリ乗馬クラブで「第18回ホロシリCUP」開催
11月1日、新冠町節婦の乗馬施設・にいかっぷホロシリ乗馬クラブで「第18回ホロシリCUP」が行われた。
日頃、同施設で乗馬を習い、乗馬を楽しんでいる会員・少年団員向けの馬術大会で、今年JRAでデビューした三津谷隼人騎手も中学時代に出場している。当日は気持ちの良い青空が広がり、10月に開かれた「紀の国わかやま国体(第70 回国民体育大会)」の舞台に立った楫川徳都さん(高校2年生)を含めた小学生~社会人、約40名が出場した。そのうち半数を小学生が占め、独特の大会の空気に緊張しながら競技に挑んでいた。競技会場の観覧席では出場選手の保護者や友人・知人、一般見学者が立ち並び、声援を送っていた。
今大会の競技はジムカーナ、クロスバー飛越競技、ビギナーズ障害飛越競技、小障害A飛越競技の4つ。クロスバー飛越競技には2004年の京都大賞典(G2)の勝ち馬で、現在は同施設で乗用馬生活を送るナリタセンチュリーが出場した。乗用馬に転身して3年目を迎え、しっかりと指示に従ってバーをクリアし、余力を持ってゴールを切った。優勝こそ逃したものの、競技では上達ぶりをアピールした。同じく、乗用馬生活を送っている重賞馬クーリンガーは競技終了後のアトラクション(団体戦)に登場し、ひと際目立つ真っ白な馬体で力走した。クーリンガーと新入厩の重賞馬メイショウトウコンは乗用馬として訓練を重ねており、来年以降は競技出場機会があるかもしれない。
競技終盤に差しかかって難易度の高い種目に入ると、今大会の審判長で、昨年のアジア大会・総合馬術日本代表として団体2位の記録を持つ楠木貴成さんが馬場に入り、出場選手の前で模範騎乗を試みた。楠木さんはウィルビーワンとのコンビで軽快にコースを立ち回り、巧みなコントロールでさらりと飛越を繰り返すと、その技術に会場内から熱い視線が集まった。表彰式終了後には楠木さんによる乗馬クリニックも行われ、日頃練習に励む高校生らがアドバイスを受けた。
午前9時過ぎから始まった競技は午後3時頃に終わり、クラブハウスで表彰式が行われた。今大会には北海道内企業・団体が多数協賛しており、ヘルメットやウェアなどの乗馬グッズやギフト券、地元の鮭などの賞品が出場選手に渡った。ナーシャルバトルとのコンビでクロスバー競技に出場し、見事優勝した村上駿斗さん(小学6年生)は、「優勝できて嬉しいです。本番は少し緊張したけれど、馬の上で立つ、座る、のタイミングに注意して乗りました。今日は自己採点すると80点ぐらい。もっと難しい障害飛越もできるようになりたいです」と話し、笑顔で表彰状を受け取っていた。
また、今大会では10月の菊花賞(G1)を制した北島三郎さん((有)大野商事)所有馬として競走生活を送り、現在は同施設で乗用馬となっているキタサンキングオー、キタサンガッツが出場。それぞれジムカーナ競技、小障害A飛越競技で優勝し、ここでも“キタサン”冠名馬の活躍が目立った。
競技中、コース攻略のポイントや出場選手の横顔を伝え、放送席から大会を盛り上げた大会役員の山畠輝男さん(同施設支配人)は、「好天に恵まれ、人馬とも無事に競技を終えられて安堵しています。今回もクラブ会員同士の親睦を深める機会となり、小学生にとっては大会経験を積む機会となりました。来年に向けては、さらに会員を増やしていくことと、競技内容のレベルアップを目指していきたいです」と、振り返っていた。