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エーデルワイス賞(Jpn3)は地元タイニダンサーが優勝

  • 2015年10月19日
  • タイニーダンサーが真の女王に輝いた
    タイニーダンサーが真の女王に輝いた
  • 平日にも関わらず大勢の来場者に祝福された
    平日にも関わらず大勢の来場者に祝福された
  • 馬場内で行われた口取り撮影
    馬場内で行われた口取り撮影
  • カメラにサインする桑村騎手
    カメラにサインする桑村騎手
  • 表彰式の様子
    表彰式の様子

 グランダム・ジャパン2015・2歳シーズン第2戦となる交流重賞、第18回エーデルワイス賞(Jpn3)が10月15日、門別競馬場で開催された。

 距離ダート1200mで争われる同レースにはJRA所属馬4頭、ホッカイドウ競馬所属馬11頭計15頭の2歳牝馬がエントリー。1番人気はJRAから参戦の米国産馬、チェストケリリー。新潟でのデビュー戦を勝ち、ここに照準を合わせてきた。2番人気はホッカイドウ競馬の快速娘、タイニーダンサー。栄冠賞、フローラルCを圧倒的な強さで制し、中央勢にも負けないだろうと地元の支持を一身に受けた。3番人気はタイニーダンサーの僚馬でもあるモダンウーマン。フルールC、リリーCと重賞連勝中で、甲乙つけがたい存在だ。

 レースはスタートで人気のチェストケリリーがダッシュ付かず最後方からという波乱がありつつも、モダンウーマンが落ち着いて先手を奪い、以下は多頭数らしく出入りの激しいレースとなった。4コーナーを周りモダンウーマンがスパート、内でレースを進めていたタイニーダンサーがコーナーワークで2番手へ取り付くも、先に抜け出したモダンウーマンとの差がなかなか縮まらない。このまま逃げ切りかと思われた残り100m地点でタイニーダンサーがモダンウーマンを抜き去り、最後は2馬身の差を付けて圧勝した。勝ち時計は1:14.1(良)2着にモダンウーマン、3着は6番人気のJRA所属馬ディーズプラネットが入り、グランド牧場生産馬のワン・ツー・スリーフィニッシュとなった。

 ホッカイドウ競馬入厩時、2歳の馴致から携わっている桑村真明騎手は、手塩にかけて育てた馬での交流重賞勝利に「初めて坂路でキャンターにおろした時、軸がしっかりしていて2歳馬とは思えない安定感があり、これはちょっと違うなと感じたことを覚えています。今日は内枠だけが心配でしたが、ラスト1ハロンで良く伸びてくれました。この馬の長所はリズム良く運べた時の反応の良さ。折り合いさえつけば全国で活躍できると思います」と話し、出逢った頃の印象そのままに成長したことを素直に喜んでいる様子だった。

 2歳牝馬重賞を総なめにしている角川秀樹調教師も満面の笑み。「どんなレースにも対応できるし、どこへ出しても、牡馬相手でも大丈夫だと確信しています。選択肢は広がる一方ですし、オーナーと相談して今後を考えて行きたいです」と、嬉しい悩みは尽きないようだ。

 タイニーダンサーは父サウスヴィグラス、母キハク、母の父アサティスという血統の2歳牝馬で、新ひだか町静内にあるグランド牧場のオーナーブリーディングホース。

 生産馬がワン・ツー・スリーフィニッシュという偉業を成し遂げたグランド牧場の伊藤佳幸代表は「今年の2歳馬の世代は、牧場の大規模な改革を行った年の生産馬。生産頭数を減らし、1頭1頭の管理を今まで以上にしっかり行い、せりへも積極的に参加するようにしました。こんなに早く結果が出るとは、スタッフたちも励みになりますね」と苦楽をともにしてきた牧場スタッフを労った。