9月9日、安平町早来源武の社台スタリオンステーションにおいて、来年から種牡馬生活に入るフェノーメノ(牡6歳)のお披露目会が、報道陣に対して行われた。

　フェノーメノは父ステイゴールド、母ディラローシェ、母の父デインヒルという青鹿毛の追分ファーム生産馬。おじには香港年度代表馬で、1999年のジャパンカップ(G1)で2着になったインディジェナスがいる。

　フェノーメノの競走成績は18戦7勝。2011年10月の2歳新馬戦メイクデビュー東京でデビュー勝ち。3戦目でスピルバーグらを退けて2勝目をあげると、2012年春のクラシック戦線に駒を進め、青葉賞(G2)で重賞初勝利を果たしダービー(G1)への優先出走権を手にした。5番人気で出走したダービー(G1)では、先に抜け出したディープブリランテを猛追するも鼻差2着に惜敗。秋はセントライト記念(G2)を1番人気で快勝すると、菊花賞(G1)へは向かわず古馬と手を合わす天皇賞(秋)(G1)に出走した。その天皇賞(秋)(G1)は最内から抜け出したエイシンフラッシュに半馬身差及ばず2着。古馬になり2013年の日経賞(G2)を制して臨んだ天皇賞(春)(G1)で、トーセンラー、レッドカドー、アドマイヤラクティ、ゴールドシップ、ジャガーメイル、マイネルキッツらを破り悲願のG1制覇を成し遂げた。翌2014年の天皇賞(春)(G1)も制して、メジロマックイーン、テイエムオペラオーに続く史上3頭目の天皇賞(春)(G1)連覇を達成。父ステイゴールド譲りの黒光りする好馬体でG1戦線を賑わした。

　右前脚繋靱帯炎と左前脚屈腱炎を発症し、5月28日付で競走馬登録を抹消したフェノーメノは、生まれ育った追分ファームで患部の回復に努め、移動のゴーサインが出た9月4日に社台スタリオンステーションにスタッドイン。新たな環境に慣れるのを待って報道陣へ公開された。

　事務局の社台スタリオンステーションでは｢到着時の馬体重は555kgでした。ステイゴールドの産駒にしては大きな体をしており、1歳時から評価の高い存在でした。天皇賞(春)(G1)の連覇はもちろんのこと、初重賞制覇となった青葉賞(G2)、高速馬場での決着で鼻差で負けたダービー(G1)、1分57秒台での決着となった秋の天皇賞のパフォーマンスが、強く印象に残っています。顔つきや性格はステイゴールドに似ていますが、体型的には母の父のデインヒルが入っているのでがっちりしていると思います。サンデーサイレンスから広がるステイゴールド系のサイアーラインを繁栄させる後継種牡馬として期待しています。産駒には自身が果たせなかったダービー(G1)や2000mの天皇賞(秋)(G1)に勝ってほしいですね｣とエールを送っていた。