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ブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)はアムールブリエが接戦を制し優勝

  • 2015年08月19日
  • 静内高校吹奏楽部による生ファンファーレ
    静内高校吹奏楽部による生ファンファーレ
  • 接戦を制しアムールブリエが優勝
    接戦を制しアムールブリエが優勝
  • 優勝馬だけに与えられる馬装で口取りへ
    優勝馬だけに与えられる馬装で口取りへ
  • コース上で行われた口取り
    コース上で行われた口取り
  • 門別競馬初騎乗で重賞Vを果たした浜中騎手
    門別競馬初騎乗で重賞Vを果たした浜中騎手
  • 表彰式も賑やかだった
    表彰式も賑やかだった

 8月13日、門別競馬場ではグランダム・ジャパン2015古馬シーズン第5戦目となる、スポーツニッポン杯第27回ブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)がダート2000mで行われた。

 JRA所属のアクティビューティーが出走取り消しとなり、中央所属馬4頭、地方からはホッカイドウ競馬から8頭、他地区笠松、高知から各1頭が参戦し、有力牝馬14頭によって争われた。2.6倍の1番人気は昨年の覇者サンビスタ。昨年の優勝後もJBCレディスクラシック(Jpn1) 、TCK女王盃(Jpn3) 、マリーンC(Jpn3)を制し、勲章を重ねて再びこの地へ挑んできた。2番人気はダート成績6戦4勝、関東オークス(Jpn2)を勝ち勢いのある3歳牝馬のホワイトフーガで3.2倍。差のない3番人気は中央競馬のオープン馬で、武豊騎手騎乗のキャニオンバレーで3.9倍、4.0倍の4番人気はエンプレス杯(Jpn2)を含め3連勝中のアムールブリエとJRA所属馬たちが上位人気を占めた。地元ホッカイドウ競馬ではノースクイーンカップを勝ったサンバビーンが5番人気に奮闘したが、単勝オッズは40.0倍と大きく間を空けられてしまった。

 恒例となった静内高校吹奏楽部の生ファンファーレでレースはスタート。地元の意地を見せサンバビーンがハナを奪い、キャニオンバレー、ステファニーラン、ホワイトフーガがつづく。サンビスタは直後外目の5番手につけ、アムールブリエがその内という態勢で1コーナーを回った。やや縦長の隊列で向こう正面を通過、3コーナーを回るとさらに隊列が伸び、キャニオンバレーとホワイトフーガが並んだ状態で4コーナーを回って直線へ。外からサンビスタが抜け出し、さらに外からアムールブリエが強襲、内でホワイトフーガも粘っていたが、最後はサンビスタとアムールブリエの一騎打ちとなった。サンビスタ優勢に思えたが、最後のひと伸びでアムールブリエがアタマ差交わし、重賞2連勝を飾った。勝ち時計は2:08:1(良)2着には最後まで接戦を繰り広げたサンビスタ、2頭から5馬身離された3着はホワイトフーガ、さらに5馬身差の4着にキャニオンバレーとJRA勢が上位を独占、ホッカイドウ競馬所属馬はステファニーランの5着が最高だった。

 優勝した浜中俊騎手は門別競馬場初騎乗での重賞V。レース後のインタビューでは「大きい競馬場でビックリしました。コースも広く、乗りやすかったです」と印象を語り、レースについては「約半年振りの実戦で、馬体重(+28kg)も気にはなりましたが、返し馬で動ける事を確認したので不安はありませんでした。ズブいところがあるので3コーナーでスッと動けなかった点はいつも通り。直線に入ってからはこの馬らしい粘りで踏ん張ってくれました。並びかけたら絶対に譲らない、本当にメンタルが強い馬です」と賞賛した。

 騎手時代アムールブリエの母、ヘヴンリーロマンスで2005年の天皇賞(秋)(G1)を制し、調教師に転身後はその産駒たちを管理している松永幹夫調教師は「馬体重増に驚いた方も多いと思いますが、昨秋は490kg前後で走っていた馬ですから戻ってきたという印象です。今日は強い馬もいたし、前に行く馬も多かったので、4コーナー辺りで前に取り付ければいいなと考えていました。接戦になるとしぶといことはわかっていたので、今日は浜中騎手が上手く乗ってくれましたね。このまま順調に、秋のG1に向けて調整していきたいです」と更なる飛躍を誓った。

 アムールブリエは父Smart Strike、母ヘヴンリーロマンス、母の父サンデーサイレンスという血統の4歳牝馬。生産は米・North Hills Co. Ltd.母ヘヴンリーロマンスは米国で繁殖生活を送っており、本馬は5番仔になる。