馬産地ニュース

北海道スプリントC(Jpn3)はシゲルカガが初重賞制覇

  • 2015年06月16日
  • 逃げ切り勝ちを収めたシゲルカガ
    逃げ切り勝ちを収めたシゲルカガ
  • 笑顔で握手を交わす勝浦騎手と谷調教師
    笑顔で握手を交わす勝浦騎手と谷調教師
  • ダートへ路線変更後わずか3戦で初重賞制覇
    ダートへ路線変更後わずか3戦で初重賞制覇
  • コース内で行われた口取り式
    コース内で行われた口取り式
  • 表彰を受ける関係者の皆さん
    表彰を受ける関係者の皆さん

 今シーズン最初の交流重賞となる第19回北海道スプリントカップ(Jpn3)が6月11日、門別競馬場で行われた。

 ダート1200mを舞台に全国から精鋭が集結。高知、笠松、岩手から各1頭、JRAからは4頭、迎え撃つホッカイドウ競馬所属馬は7頭が参戦し、14頭立てで争われた。

 1番人気はダノンレジェンド(牡5)。高知の黒船賞(Jpn3)、大井の東京スプリント(Jpn3)を連勝し、北海道へ乗り込んで来た。2番人気は芝・ダート問わない活躍で5勝をあげているシゲルカガ(牡4)、昨年の勝ち馬で連覇を狙うアドマイヤサガス(牡7)が3番人気とJRA所属馬が上位人気を占め、ホッカイドウ競馬短距離界の雄、アウヤンテプイ(牡6)が4番人気でつづいた。

 好天に恵まれたこの日は北海道にしては暖かい1日となり、大勢のファンがスタンドを出てゴール板前からレースの行方を見守った。一斉のスタートからシゲルカガがハナを奪い、ポアゾンブラック、タイセイレジェンドが追う。内を突くクリーンエコロジー、手綱をしごいてアドマイヤサガスも先団に取り付くが、逃げるシゲルカガとの差は広がるばかり。4コーナーを回っても軽快に逃げるシゲルカガを捕らえることができず、残り200メートル地点でダノンレジェンドが追い込むも3着まで。1分12秒5(良)のタイムでシゲルカガが押し切り、3/4馬身差の2着にはこのレースがホッカイドウ競馬移籍初戦となったポアゾンブラック(牡6)が入り、底力を見せた。

 レース後、騎乗した勝浦正樹騎手は「他の馬との駆け引きとか、追い出しのタイミングとか小細工する必要もない馬なので迷いなく先頭へいきました。ゲートを出るときの一歩目だけ気をつけて、あとは自分のリズムを崩さず走るだけ。強い馬が後ろから来て差されたら仕方ないなという気持ちでしたが、今日は良いところが見せられましたね」ダート路線に照準を定めてからわずか3戦での重賞制覇、3戦全て勝浦騎手が手綱を取っているだけに喜びもひとしおのようだ。

 引き上げてきた勝浦騎手とガッチリ握手を交わした谷潔調教師は「前走東京スプリント(Jpn3)で初めてナイター競馬を経験しましたがとても落ち着いていましたし、今日も気にしない様子で状態は前走以上だと感じました。切れる脚を持っているタイプではないので、楽に先頭に立ち、あとは直線どれだけ粘れるかという自分との戦いになりますから、理想的な競馬でしたね。ダートでこれだけ走れれば選択肢も広がりますし、まだ4歳、これからどんな成長を見せてくれるか楽しみな馬です」と声を弾ませた。

 シゲルカガは浦河町荻伏の馬道繁樹さんの生産馬。父パイロ、母アレグレッツァという血統の牡4歳馬。父パイロの初年度産駒になる同馬は、父にはじめての重賞勝利をプレゼントした。