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道営重賞・ヒダカソウカップが行われる

  • 2015年05月25日
  • 砂煙が上がる直線の攻防
    砂煙が上がる直線の攻防
  • ルージュロワイヤルが競り勝った
    ルージュロワイヤルが競り勝った
  • ウイナーズサークルへの花道
    ウイナーズサークルへの花道
  • 晴れやかな表情を浮かべるみなさん
    晴れやかな表情を浮かべるみなさん

   ブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)を目指す牝馬たちによる新設重賞、AIR DO賞第1回ヒダカソウカップ(H3)【ヴァーミリアン賞】が5月21日、門別競馬場で行われた。

   内回りコース1600mで争われる二度目の重賞競走には、3歳から7歳まで12頭の牝馬が出走。1番人気に推されたのはJRAで5勝をあげ、これが地方移籍緒戦となる5歳馬サンバビーン。次いで前走自己条件戦で後続を4馬身突き放した3歳馬ルージュロワイヤル、笠松に遠征し、第1回ラブミーチャン記念(SPI)を制するなどマイルでの実績を持つジュエルクイーンが3番人気となった。

   レースは、さすがのスタートダッシュを決めたサンバビーンがハナに立つと、52キロの軽ハンデを生かしたジュエルクイーンがピッタリマーク。前半3ハロン35秒台のラップを刻み2頭がハイペースで引っ張る展開となった。

   3コーナー手前でレースは動く。3番手に控え、2頭の動向を伺っていたルージュロワイヤルが前を捕らえにかかる。直線に入るとサンバビーンが脱落し、ジュエルクイーンとルージュロワイヤルの3歳馬2頭の激しい叩き合いの末、内に粘るジュエルクイーンをクビ差競り落とし、ルージュロワイヤルが初重賞制覇を果たした。

   4馬身差の3着には4番人気スターライラック、サンバビーンは4着だった。勝ちタイムは1分42秒0(稍重)。

   騎乗した阿部龍騎手は身長が167cmあり、52キロの斤量に合わせ、減量してレースに挑んだ。ルージュロワイヤルもまた、昨年9月に行われたリリーカップ(H3)後骨折が判明、長期休養を経て今シーズンに間に合った形だ。表彰式で見せた関係者の晴れやかな笑顔は、それぞれの苦労が報われた結果かも知れない。

   ルージュロワイヤルは父フレンチデピュティ、母クリムゾンルージュ、母の父エンドスウィープという血統の3歳牝馬。登別市にあるユートピア牧場のオーナーブリーディングホースであり、血統表を遡ると第46回天皇賞・秋(1962年)勝ち馬クリヒデの名前があるなど、日本で長く育まれた歴史を持つ血脈だ。競馬場に駆けつけ、表彰式に立った山口正場長は「2歳時は能力がありながらも結果を残すことができませんでした。怪我を乗り越えての重賞制覇ですからね、喜びもひとしおです。牧場創業時から守ってきた根幹牝馬の血統から重賞勝ち馬が出て本当に嬉しい」と笑顔を見せていた。