北斗盃はオヤコダカが圧勝劇で優勝
今年のホッカイドウ競馬開催初日の4月22日、JRAの「皐月賞(G1)」にあたる3歳クラシック第1弾、第39回北斗盃(H3)【スクリーンヒーロー賞】が行われた。今年新設された内回りコースを使用する初重賞でもあり、距離はダート1200mから1600mへ延長。ナイター設備が整っていないため6レースに組まれ、夕闇迫る17時15分に発走となった。
今年の出走馬は11頭。昨年のブリーダーズGJrC(H1)などを制し、兵庫ジュニアGP(Jpn2)で2着したオヤコダカが1.4倍の圧倒的な1番人気に推された。次いで地方移籍初戦で重賞勝ちを収め、ホッカイドウ競馬に移籍したシークロム、冬の南関東で好走して戻って来たタイムビヨンドが3番人気で続いた。
レースは、スタートからオヤコダカが先手を奪うとシークロムがそれをマークする形で2番手を進む。向う正面ではこの2頭が後続を突き放して逃げる展開になるも、残り600m標識に差し掛かる頃にはオヤコダカが抜け出し、直線に入っても脚色は衰えぬまま7馬身差の圧勝劇で1冠目を手にした。
勝ち時計は1分41秒4(重)。2着シークロム、3着はタイムビヨンドが入り、人気通りの決着となった。
今季最初の重賞勝利ジョッキーとなった阪野学騎手は「内回りコースということで、直線が短くなることから、馬なりで先行できればと思って乗りました。他馬に寄られるとカッとなるところもあるので、今日は理想的なレースができましたね。三冠を狙える馬だと思うので、それを目標に大事に乗っていきたいです」と喜びを語った。
管理する原孝明調教師は「坂路での調教中心で内回りコースに入るのは初めてだったから、どうなるか多少不安もあったけど全然関係なかったようだね。本当に偉い馬だよ」と声を弾ませていた。
オヤコダカは父サムライハート、母オメガカリビアン、母の父フレンチデピュティという血統で、近親に昨年のオークス馬ヌーヴォレコルトがいる。生産は新冠町の森永聡さんの牧場で、オーナーはその父森永正志さんという「父子鷹」が送り出した競走馬だ。
表彰台に立った森永聡さんは「原先生をはじめとする厩舎スタッフの皆さん、阪野騎手のお陰で勝利することができました。無事に走ってくれることが一番ですし、これからも楽しみにしています」と今後の活躍に期待を寄せていた。