馬産地ニュース

育成関係者向け講習会が開かれる

  • 2014年12月15日
  • 日高町門別で開かれた育成関係者向け講習会
    日高町門別で開かれた育成関係者向け講習会
  • 講師を務めた日本軽種馬協会静内種馬場軽種馬生産技術総合研修センターの田中弘祐調査役
    講師を務めた日本軽種馬協会静内種馬場軽種馬生産技術総合研修センターの田中弘祐調査役
  • 主催者を代表して挨拶する日本軽種馬協会静内種馬場軽種馬生産技術総合研修センターの仙波裕之次長
    主催者を代表して挨拶する日本軽種馬協会静内種馬場軽種馬生産技術総合研修センターの仙波裕之次長

 12月10日夜、日高町門別にある門別総合町民センターにおいて、「知っておきたいアシや蹄の話」と題した育成関係者向け講習会が開かれた。

 この講習会は日本軽種馬協会の主催で、競走馬育成協会、軽種馬育成調教センター(BTC)日高事業所が協賛。日本軽種馬協会静内種馬場軽種馬生産技術総合研修センターの田中弘祐調査役が講師を務めた。11日には新ひだか町静内の静内エクリプスホテルで、12日には浦河町西舎のBTC軽種馬診療所でも開催された。

 門別地区の会場には約60人の育成関係者が出席。主催者を代表して挨拶に立ったJBBA軽種馬生産技術総合研修センターの仙波裕之次長は、「本日は雪の中、お集まりいただきありがとうございます。現在、JBBAでは生産地対策として、軽種馬の飼養技術に関する研修事業をいろいろ実施しています。今回の講習会では装蹄師として生産地の装削蹄事情に詳しい田中先生から、長年の経験から得られた情報を、生産界、競馬界の橋渡しの仕事をされている育成牧場の方にも知ってもらおうと考えて開催しました。皆様が気軽に出席できるよう、また、質疑応答しやすいようにと、門別、静内、浦河地区の3カ所に分けて実施します。時間が許す限り、忌憚ない意見交換ができれば」と講習会の趣旨を説明した。

 講師の田中調査役は、装蹄の目的、前肢と後肢の役割、蹄下面の名称、蹄の角質と肉質など、蹄の基本的な知識を説明。続いて、さまざまな肢勢の異常、趾軸の異常、クラブフットの発症メカニズム、蟻洞といった蹄のトラブルについての予防法や対処法を紹介した。最後に、歩様や肢蹄のチェック、手間暇おしまぬアフターケア、適切な運動、栄養管理、ウマ管理者と獣医師と装蹄師の連携強化を強調し、「蹄なくして馬なしといわれますが、蹄の管理については疎かにされがちです。繁殖牝馬は特にあてはまります。蹄は馬の土台です。健全でバランスの良い肢蹄を保つことが、強い馬づくりにも大切です」とまとめた。

 出席者は「蹄油を塗るときに注意する点は?」「蹄葉炎を予防するには?」「馬によって蹄に合う気候、合わない気候があるのか?」「蹄を矯正する適切な時期は?」「接着装蹄の長所と短所は?」といった蹄に関する日頃の疑問を、経験豊富な田中調査役にぶつけていた。