馬産地ニュース

胆振軽種馬農業協同組合青年部がグループ研修を実施

  • 2014年11月27日
  • 胆振軽種馬農業協同組合青年部のグループ研修
    胆振軽種馬農業協同組合青年部のグループ研修
  • JRA育成馬の調教の様子を見学
    JRA育成馬の調教の様子を見学
  • 多くの参加者が興味を示したハートレートモニターの講義
    多くの参加者が興味を示したハートレートモニターの講義

 11月25日、26日の2日間、胆振軽種馬農業協同組合青年部(上水厚部長)は、浦河町のJRA日本中央競馬会日高育成牧場とBTC軽種馬育成調教センターに出向いて、グループ研修を実施した。

 グループ研修は日本軽種馬協会が行う軽種馬経営高度化指導研修事業のひとつ。同じ目的を持つグループで、定期的かつ継続的に研修を開催して技術や知識を習得することを目的としている。日高地区では今年から各軽種馬青年部単位で行われているが、胆振青年部では今回が初めての研修となった。1泊2日の研修には上水部長をはじめとした会員や会員が所属する牧場のスタッフ合わせて15名が参加した。

 日高育成牧場で始まった初日の研修では、山野辺啓場長が挨拶。日高育成牧場の歴史や生産から育成までの育成調教技術開発や研究などの業務内容を紹介し、「本日は胆振から当牧場へ遠路ご来場いただきありがとうございます。強い馬づくりの答えはひとつではないと思いますが、毎年ベターを求めて取り組んでいます。今回の研修が皆様にとって有意義な時間になれば幸いです。グループでの研修ですので、お互い意見を出し合いながら進めていきましょう」と呼びかけ講義が始まった。

 講義は日高育成牧場の実践研修プログラムでも講師を担当する、専門役の冨成雅尚氏、業務課長の秋山健太郎氏、生産育成研究室室長の羽田哲朗氏、主査の村瀬晴崇氏、研究役の佐藤文夫氏が担当。厳冬期の昼夜放牧、仔馬の取り扱い、幼駒の外科的疾患、JRA育成馬の調教方針、運動生理学という、生産から育成まで広範囲に渡る話題を提供した。講義の合間や終了後には、講師からの問いかけや参加者からの質問が頻繁に飛び交い、少人数で行うグループ研修ならではの光景が見られた。

 2日目は早朝からBTC軽種馬育成調教センターを訪問し、BTCの施設を利用して強い馬づくりに励む近隣の育成牧場の調教を、それぞれの牧場の担当者の説明を受けながら見学。施設の同じコースを使用しながらも、各牧場独自の調教方法でトレーニングを積んでいることなどを理解した。

 続いて来年のブリーズアップセールを目指して、厳しい調教が進められているJRA育成馬(1歳)の様子を視察。最後は離乳したJRAホームブレッド(当歳)を用いてのボディコンディションスコアの採点方法、歩様検査、馬の見方を実践形式で学んだ。

 研修を終えた同青年部では「研修を受け入れてくださったJRAの皆様、見学させていただいた牧場関係者の方に感謝申し上げます。先生方と良い距離感で意見交換ができたり、ほかの牧場のやり方などを勉強できてとても素晴らしい経験ができました」と充実した2日間を振り返っていた。

 なお、日高育成牧場で実施している秋の実践研修プログラムは、申し込み数が定数に達したため年内の受付を終了。季節にあった研修内容を用意して、来年再開する予定という。