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道営記念の前哨戦・瑞穂賞はウルトラカイザーが優勝

  • 2014年10月21日
  • 4連勝で重賞制覇を飾ったウルトラカイザー
    4連勝で重賞制覇を飾ったウルトラカイザー
  • 井上騎手&林厩舎は2週連続重賞制覇
    井上騎手&林厩舎は2週連続重賞制覇
  • 馬体重490kgで出走
    馬体重490kgで出走
  • 通算成績はこれで20戦15勝
    通算成績はこれで20戦15勝
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

 今年度の開催終了まで残り1か月を切った門別競馬場では10月15日、クライマックスを飾る道営記念(H1)の前哨戦となる重賞・中京スポーツ杯第47回瑞穂賞(H2)[タートルボウル賞]が行われた。距離はダート1,800m。

 今年のメンバーは5歳~9歳の牡馬9頭。1番人気は今季門別競馬で3連勝中のウルトラカイザーで、前2走はステイヤーズC(H1)の勝ち馬クラグオーを破って快勝し、単勝1.5倍の支持を受けた。2番人気は春に星雲賞(H2)を制したグッドグラッドで、近走は連続して馬券圏内に絡み、堅実なレースぶりが光っている。逃げ・先行力を武器とし、今季Aクラスで4勝しているニシノファイターが3番人気、同じくハナに立ってしぶとく、展開のカギを握るモズが4番人気に続いた。

 レースは、服部茂史騎手が手綱をしごいてモズが先頭に立ち、ニシノファイターが控えて2番手。ウルトラカイザーは前方を見ながら3番手につけて、グッドグラッドは中団からレースを進める。少頭数ながら馬群は縦長となり、残り800mで逃げていたモズの脚色が鈍るとニシノファイターが交わし、ウルトラカイザーもぴったり張り付いて4コーナーをまわる。最後の直線は内ラチ沿いに寄ってラストスパートをかけるニシノファイターと、馬場の外目に出したウルトラカイザーの一騎打ち。後ろから反撃を開始したグッドグラッドは少し前2頭から遅れをとった。ゴール間際はニシノファイター、ウルトラカイザーが内外離れての追い比べとなり、両馬一歩も譲らぬ熱戦となったが、最後の最後でウルトラカイザーが差し切り、1着でゴールに飛び込んだ。2着は3/4馬身差でニシノファイター、終いよく伸びたグッドグラッドが3着に入り、上位人気馬による堅い決着となった。勝ち時計は1分52秒3(重馬場)。

 騎乗した井上俊彦騎手は今季4度目の重賞タイトル奪取。レース後の表彰式では、「道中は2、3番手ぐらいの位置で進めようと考えていました。攻め馬での調子も良く、最後の直線は伸びてくれると思っていましたが、差すのに時間がかかってしまいました。次走は距離が不安なところもありますが、頑張ってくれると思います。」と、インタビューに応えた。管理する林和弘調教師は前週のサンライズカップ(H3)に続いて、2週連続重賞Vを果たした。

 ウルトラカイザーは父レギュラーメンバー、母ローレルワルツ、母の父ダイナレターという血統で、半兄にアルゼンチン共和国杯(G2)、七夕賞(G3)の勝ち馬アスカクリチャンがいる。門別競馬場に応援に駆け付けた生産者・つつみ牧場の堤俊昭さんは、「ウルトラカイザーは脚元の関係で1年以上休養がありましたが、以前九州にいた頃の強い姿が戻ってきましたね。再起が叶って嬉しいです。門別の水も合うのでしょう。牧場時代はバネがあって、弾むように歩いていました。兄弟で重賞馬となってくれて、本当に嬉しいです。道営記念(H1)は距離延長がカギですが、佐賀で2000mの重賞を勝っているので、何とかこなして欲しいなぁと思います。」と、感想を語っていた。

 同牧場には現在、ウルトラカイザーの半姉カナザワノハナが繁殖入りしており、今年はアスカクリチャンと近い配合となる父スターリングローズの牝馬が生まれている。この当歳馬は来年の北海道市場上場の可能性があるという。カナザワノハナは今年もスターリングローズを受胎している。