イーストスタッドにダンカークがスタッドイン
10月11日朝、浦河町西幌別にあるイーストスタッドに、アメリカから来た輸入新種牡馬ダンカーク(牡8歳)がスタッドインした。
アメリカでの1か月に渡る輸出検疫、神奈川県横浜市での3週間に及ぶ着地検疫を終えたダンカークは、馬運車から降りると環境の変化に動じることなく、しっかりとした足取りで元気な姿を披露。到着後にはスタッドインの報せを受けた近隣の生産者が駆けつけ、白く輝く芦毛の新種牡馬に熱い視線を送った。
イーストスタッドの鎌田信一社長は「とても雄大な馬体でゆったりとしていて好印象を持ちました。アメリカでも新種牡馬チャンピオンになっているように種牡馬成績も出ていますので、当然期待しています。今日の新馬戦でも人気になっているので、なんとか勝ってもらって今日の到着に花を添えてくれればうれしいですね」と夢と希望を抱いていた。
その言葉に応えるかのように、11日に京都競馬場で行われた3レースの2歳新馬戦、メイクデビュー京都(ダート1400m)では、1番人気に推されたダンカーク産駒のフォンタネットポー(牝2歳、石坂正厩舎)が優勝。父の日本での門出を後押しし、種牡馬関係者を喜ばせた。
ダンカークは父アンブライドルズソング、母シークレットステイタス、母の父エーピーインディという血統のアメリカ産馬。母はケンタッキーオークス(G1)、マザーグースS(G1)などを制した女傑で、1歳時に上場された2007年のキーンランドセプテンバーセールでは、370万ドル(約3億8千万円)で落札された超良血となる。
競走成績は5戦2勝。2009年のベルモントS(G1)ではサマーバードの2着、フロリダダービー(G1)ではクオリティロードの2着とG1でもひけをとらない活躍を見せていた。
2010年にアメリカで種牡馬入りすると、昨年デビューした初年度産駒が大活躍。シャンパンS(G1)を制覇したハヴァナ、サプリングS(G3)を制したダンキンベンドなどを送り出し、2歳新種牡馬チャンピオンに輝いた。日本ではフォンタネットポーのほか、キープアットベイも新馬勝ちし、コスモオヌールは新馬2着。デビューした3頭のうち2頭がデビュー勝ちを収めて1頭も2着と、すべて馬券圏内に入っている。
すでに地元・浦河の生産者を中心に、リース形式の大型シンジケートを結成。発表と同時に多くの申し込みが寄せられたため、当初予定の50株から60株に変更しての結成となっただけに、ダンカークへの期待の大きさがうかがい知れる。