道営スプリントはアウヤンテプイが2連覇
地方競馬の祭典JBCが迫る中、門別競馬場では10月2日、JBC指定競走の第9回道営スプリント(H2)[サウスヴィグラス賞]が行われた。距離はダート1200m。
今年のメンバーはプリュムローズが取り消して12頭立て。1番人気は昨年の覇者アウヤンテプイで、交流重賞でも十分通用する実力馬として、地元戦のここは単勝1.1倍の支持を受けた。近走安定した成績を残すエリモサプライズが2番人気、短距離戦に矛先を向けてから好走しているナリタボルト、前走アウヤンテプイと0.3秒差の競馬をしたケイアイクライムが3、4番人気に続いた。
スタートはややバラけたが、アウヤンテプイは出足良く、内から気合いをつけてラブミーブルーがハナを奪い、ネオリアライズ、フォリッドも前へ。アウヤンテプイはその3頭を見ながら4番手につけ、ナリタボルト、エリモサプライズは中団からレースを進める。隊列は縦長となって勝負所に入り、先頭はラブミーブルー、ネオリアライズ。その後ろから宮崎光行騎手とアウヤンテプイが楽な手応えで迫って直線を向く。残り200m手前でアウヤンテプイが抜け出し、みるみる突き放して独走態勢へ。2番手グループはラブミーブルー、ケイアイクライム、ナリタボルトらが食い下がるが差は縮まらず、早々と大勢は決した。2馬身という着差以上の強さを見せてアウヤンテプイがゴール板を駆け抜け、2着はケイアイクライム、後方にいたドラゴンウィスカーが3着まで末脚を伸ばした。勝ち時計は1分13秒3(良馬場)。
断然人気に応えたベテラン・宮崎光行騎手は表彰式のインタビューで、「直線は早めに抜け出すと遊んでしまうところがあるので注意して乗りました。それにしても強い勝ち方を見せてくれました。」と、笑顔で答えた。先月はクラグオー、ステファニーランでステイヤーズカップ(H1)、フローラルカップ(H3)を制しており、この秋だけで3つの重賞タイトルを手にした。管理する原孝明調教師は10月2日現在82勝をあげ、リーディングトレーナー首位を走っている。
アウヤンテプイは父ムーンバラッド、母バトルグレイシー、母の父ミシルという血統で、新冠町の若林牧場がオーナーブリーダー。門別競馬場へ応援に駆け付けた若林さんは、「強い内容で勝ってくれて大変嬉しいです。原厩舎、宮崎騎手のおかげですね。当歳時からバランスが良く、毛色は母譲りです。1歳時に牧場を移動する頃には、高い素質を感じていました。」と、記念品を手に語っていた。