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新設重賞フルールカップはコパノハートが圧勝

  • 2014年08月20日
  • 栄えある第1回優勝馬となったコパノハート
    栄えある第1回優勝馬となったコパノハート
  • 後続に8馬身差をつけて逃げ切った
    後続に8馬身差をつけて逃げ切った
  • 岩橋騎手は今季重賞2勝目
    岩橋騎手は今季重賞2勝目
  • 大勢での口取り写真
    大勢での口取り写真
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

 夏競馬で盛り上がる門別競馬場では8月14日、ソメスサドル杯第1回フルールカップ(H3)[ジャングルポケット賞]が行われた。2歳牝馬限定の新設重賞で、距離はダート1000m。

 栄えある第1回のレースにエントリーしたのは9頭。メンバー中、3分の2がスーパーフレッシュチャレンジ競走・フレッシュチャレンジ競走の勝ち馬で、その日のメインレース・ブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)の余韻が漂う中、パドックを周回した。1番人気はメンバー中唯一の2勝馬ドンローズで、好時計を記録した初勝利と、脚質に幅が出た2勝目のレース内容が評価された。2着に圧倒的な着差をつけてデビュー勝ちを収めたコパノハート、ミラクルフラワーが2・3番人気に続き、JRA・岩田康誠騎手を配して挑むハニープレッツェルが4番人気に推された。

 レースは素晴らしいスタートを切ったコパノハートがハナを奪い、ミラクルフラワー、ホワイトラヴィーナもすかさず先行。前3頭から4馬身ほど離れてマイファンファーレ、ジュエルクイーン、ドンローズらが中団から追いかけていく。4コーナーはコパノハートが抜群の手応えで回り、対照的にミラクルフラワー、ホワイトラヴィーナは鞍上が手を動かして直線へ。岩橋勇二騎手のゴーサインに応え、コパノハートはみるみる後続を突き放し、残り200mでは独走態勢。後続のホワイトラヴィーナ、ジュエルクイーン、ドンローズらもよく踏ん張ったが、トップとの差を縮められず、最後はコパノハートが8馬身差をつけて圧勝した。勝ち時計は1分00秒1(良馬場)。2着にはホワイトラヴィーナ、3着にジュエルクイーンが入り、2・3着が人気薄で馬券は高配当となった。

 鞍上の岩橋騎手は今季、グランヴァンで制したエトワール賞(H3)以来となる重賞V。表彰式・レース後のインタビューでは、「もともとスタートの速い馬で、今日もゲートの中で大人しくしていましたし、速かったです。道中はなだめながらの競馬で、直線は弾けてくれました。メンバーが強いので、最後まで一生懸命追っていました。今後も期待しています。」と、笑顔を見せていた。

 コパノハートは父コパノフウジン、母コパノプレゼント、母の父サクラバクシンオーという血統。ホッカイドウ競馬・田中淳司厩舎所属で、オーナーは小林祥晃さん。現地、門別競馬場で観戦していた生産者・へいはた牧場(新ひだか町静内)の幣旗芳典さんは、「優勝できて嬉しいです。1000m戦でこれだけの着差がついたのですから、驚きました。牧場にいた頃は大きな馬で、同世代の牡馬と比べても目立っていました。父、母方から優れたスピードを受け継ぎましたね。伸びのある馬体をしているので、距離が延びてもやれるのではと思います。これからも無事に走ってきて欲しいです。」と、喜びを語っていた。母コパノプレゼントは同牧場で繁殖生活を送っており、来春に向けて人気種牡馬エンパイアメーカーを受胎している。当歳には父スターリングローズの牝馬が順調に育っているという。