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トウカイテイオーのラストクロップが誕生

  • 2014年07月30日
  • トウカイテイオーのラストクロップ
    トウカイテイオーのラストクロップ
  • 牧場スタッフに甘える7月生まれの鹿毛の牡馬
    牧場スタッフに甘える7月生まれの鹿毛の牡馬
  • 母は濁流に流されながら奇跡的に生還したキセキノサイクロン
    母は濁流に流されながら奇跡的に生還したキセキノサイクロン

 昨年8月30日に心不全のため25歳で生涯を終えたトウカイテイオーのラストクロップが、新冠町の遊馬ランドグラスホッパーで誕生した。

 最後の産駒は7月3日生まれの鹿毛の牡馬。母は2003年8月に日高地方を襲った台風10号による厚別川の濁流に飲み込まれ、生死をさまよいながら奇跡的に助かったキセキノサイクロン(牝12歳)となる。これまで純血アラブの産駒しか生んでいなかったため繁殖登録をしてこなかったが、今回初めてサラブレッドの産駒を出産したため、母仔ともに軽種馬の血統登録を済ませたという。

 遊馬ランドグラスホッパーの荒井亜紀さんは「7月生まれなのでまだ小さいですが順調に育っています。トウカイテイオーのファンの方からも応援してもらってますから、このまま成長して競走馬としてデビューできたらと思います」と話している。

 トウカイテイオーは父シンボリルドルフ、母トウカイナチュラル、母の父ナイスダンサーという血統。現役時代はデビューから無傷で1991年の皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)を制覇してJRA賞年度代表馬、JRA賞最優秀3歳牡馬、JRA賞最優秀父内国産馬を受賞したほか、1992年にはジャパンC(G1)に優勝、1993年には有馬記念(G1)を制してJRA賞特別賞を受賞するなど、12戦9勝の成績を残した。

 1995年に安平町早来の社台スタリオンステーションで種牡馬入り。2002年のマイルチャンピオンシップ(G1)優勝馬トウカイポイント、2003年の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)優勝馬ヤマニンシュクル、2005年のかしわ記念(G1)優勝馬ストロングブラッドなど、幾多もの活躍馬を送り出した。

 昨年は2頭の繁殖牝馬に交配。ともに生まれており、最終世代はキセキノサイクロンとの産駒のほか、母にトウカイパステルを持つ鹿毛の牝馬も報告されている。