馬産地ニュース

ヴァーミリアンが今年の2歳新種牡馬の初勝利を達成

  • 2014年05月23日
  • 2歳新種牡馬の初勝利一番乗りとなったヴァーミリアン
    2歳新種牡馬の初勝利一番乗りとなったヴァーミリアン
  • 種付け状況は満口と人気は高い
    種付け状況は満口と人気は高い
  • 父に初勝利をプレゼントしたエンターザスフィア
    父に初勝利をプレゼントしたエンターザスフィア

 5月15日、日高町門別の門別競馬場で開催中のホッカイドウ競馬グランシャリオナイターで行われたJRA認定フレッシュチャレンジ競走(2歳新馬戦・ダート1200m)において、新種牡馬ヴァーミリアンの産駒エンターザスフィア(牡2歳、北海道・田中淳司厩舎)が優勝。この勝利でヴァーミリアンは今年の2歳新種牡馬の中で初勝利一番乗りを果たした。

 父に初勝利をプレゼントしたエンターザスフィアは新冠町の村本牧場生産。POG本やグリーンチャンネルの番組でも取り上げられるほど前評判は高く、圧倒的な一番人気に推された。レースではスタートを決めると先行集団に取り付きコースの外目を追走。最後の直線で抜け出すと、後続に1馬身半の差を付けゴールを駆け抜けた。

 鞍上の宮崎光行騎手は「今日はデビュー戦でしたから砂を被らないよう外を回りました。まだ、身体も緩いのでこれからが楽しみ」とコメントした。宮崎騎手と田中淳司厩舎のコンビといえば、昨年のNARグランプリ年度代表馬のハッピースプリントと同じだが、ハッピースプリントとの比較を求められると、「あの馬と比べるのはかわいそう。でも、いいものは持っていますし、自分が乗った今年の2歳馬の中では上のレベルにいます」と将来性の高さをうかがわせていた。

 種牡馬として記念すべき1勝を挙げたヴァーミリアンは父エルコンドルパサー、母スカーレットレディ、母の父サンデーサイレンスという早来町のノーザンファーム生産馬。半兄には2005年の東海S(G2)など重賞4勝のサカラート、半弟には2012年の東海S(G2)など重賞3勝を挙げるソリタリーキング、2010年のシリウスS(G3)勝ち馬のキングスエンブレム、近親には2004年の皐月賞馬ダイワメジャー、2007年の桜花賞馬ダイワスカーレットなどがいる。

 競走成績は34戦15勝。2歳10月に新馬戦を制すると、年末のラジオたんぱ杯2歳S(G3)で重賞初制覇。3歳秋からダート戦に転じるとエニフS、浦和記念(G2)を連勝。4歳時にはダイオライト記念(G2)、名古屋グランプリ(G2)に勝ち、5歳1月の川崎記念(Jpn1)でビッグタイトルを獲得した。以降は砂の王者としてジャパンCダート(G1)、フェブラリーS(G1)、東京大賞典(Jpn1)、帝王賞(Jpn1)と古馬ダート路線の主要タイトルを制覇。JBCクラシック(Jpn1)3連覇も達成した。8歳時には2度目の川崎記念(Jpn1)をレコードで制覇し、日本競馬史上最多となるG1/Jpn1 9勝と2歳から8歳まで7年連続重賞制覇という記録もつくった。

 2011年に安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬入りし、今季からは日高町門別のブリーダーズ・スタリオン・ステーションで供用中。産駒の動きの良さ、血統背景などから人気が高く、今年も種付けシーズン前から満口になるほど配合申し込みが殺到したという。事務局の(株)サラブレッド・ブリーダーズ・クラブでは「今後も続々と産駒がデビューしていくことになりますが、これを契機に勝ち星を量産していってくれることを期待したいと思います」と喜んでいる。

 ジャパン・スタッドブック・インターナショナルによると、今年の2歳新種牡馬は24頭。産駒の血統登録頭数はエンパイアメーカーの164頭が最も多く、次いでハービンジャーの146頭、ヴァーミリアンの119頭、カネヒキリの99頭、キンシャサノキセキの91頭、バトルプランの40頭と続いている。