平成25年度のばんえい十勝開催終了
帯広競馬場を舞台としているばんえい十勝は、平成25年度153日間に及ぶ開催を終了した。馬券発売額は116億6,264万円(前年度比11.1%増)で、帯広競馬場の入場者数は26万8,693人(前年度比5.7%増)となり、ともに前年の実績を上回った。
リーディング・ジョッキーは186勝で鈴木恵介騎手が輝き、2位は藤本匠騎手、3位は藤野俊一騎手が僅差で続いた。リーディング・トレーナーは116勝で服部義幸調教師が達成。皆川公二調教師が2位、西弘美調教師が3位となり、上位3厩舎が3ケタの勝利数を記録した。
2013年6月から開始しているJRAの馬券発売(J-PLACE帯広)は浸透してきており、ファン層の拡大につながっている。場内の入り口にはJ-PLACEの看板を大きく掲げ、引き続き多数のポスターを貼ってPRしている。
ロケ地として協力した映画「銀の匙 Silver Spoon」はばんえい十勝でも宣伝に力を入れ、作品との連動・相乗効果を図っている。場内には特設コーナーを用意して映画で使用した道具を展示したり、とかちむらで関連する写真を掲示したり、クリアファイルやTシャツ、うちわなどのオリジナルグッズを限定販売し、作品を知るファンが興味津々に訪れている。
開催最終日となった3月24日はアローファイター、コマクインの引退馬セレモニー、主催者挨拶、騎手による見送り、走路開放といったイベントが行われ、1,159人の来場があった。場内には前日のばんえい記念(BG1)に引き続いて訪れていたファンが多く、大一番後の余韻に浸りながら競馬を満喫していた。
函館から観戦にきたという40代男性は、「15年前からばんえい競馬を楽しんでいます。いつもはインターネット中継で競馬を見ていますが、今回はばんえい記念(BG1)を見にJRで来ました。馬券は難しかったけど、ずっと快晴の空模様で、気持ち良く過ごせました。一方で、レースは昔と比べて賞金が少なく、知り合いの馬主もやめてしまいました。ばんえい関係者を取り巻く環境が、少しでも豊かになって欲しいです。」と、賞金額の推移や馬主離れを心配していた。
帯広から遠く川崎から訪れた30代男性は、「ばんえい競馬を見始めたのは昨年からです。今年1月の帯広記念(BG1)を現地で見た際に感動し、ばんえい記念(BG1)も行こうと決めました。波乱の決着に驚きましたが、本当に迫力あるレースでした。現地だと歩きながら応援できるのが良いですね。関東でもばんえい十勝のイベントを更に実施して欲しいし、レース中継のみならず、色々な番組を製作・放送して欲しいと思います。」と、要望していた。
ベンチに座って真剣に馬券予想をする60代男性は地元のばんえいファン。「競馬場には月に数回来ています。馬券は馬単を買って楽しんでいます。昔と比べて競馬場は随分きれいになったし、環境づくりの点では十分努力を感じます。とかちむらは野菜が安いし、観光客だけじゃなく、地元の人もよく行っていますよ。」と、満足そうな様子で赤ペンを握っていた。
平成26年度のばんえい十勝の開催日程は26開催153日で、オープニングデーは4月13日。ナイター開催を最終R午後8時40発走予定と最終R午後7時40分発走予定の2段階に分けて全110日間開催とし、薄暮開催が30日間、年末年始・年度最終開催をデイ開催とする予定を打ち出している。