三石軽種馬生産振興会主催の講習会が開催
2月27日夜、新ひだか町三石本桐の本桐基幹集落センターにおいて、三石軽種馬生産振興会(斎藤雅宣会長)の主催による講習会が開催された。
この講習会は三石軽種馬生産振興会の平成26年度事業のひとつ。毎年この時期に講習会を開いており、一昨年はビッグレッドファームグループ代表の岡田繁幸氏を招いて、昨年はJRA日高育成牧場から遠藤祥郎氏、佐藤文夫氏、石丸睦樹氏の3名を講師に招いて開催した。今年も昨年に引き続いてJRA日高育成牧場から生産育成研究室の村瀬晴崇主査、冨成雅尚専門役と2名の講師を招いた。
村瀬晴崇主査は、ここ最近になって大手牧場が導入している「冬期の夜間放牧」をテーマに講演。JRA日高育成牧場のJRA育成馬が実践している冬期の夜間放牧から判明した実態を報告した。
講演では昼放牧のメリット・デメリット、昼夜放牧のメリット・デメリットなどを説明。冬期の放牧管理では給餌の量や方法、水の重要性、シェルター設置の長所や短所、運動量について言及した。
村瀬主査は冬期の昼夜放牧の課題として基礎代謝低下を防止する管理法、適切な運動負荷方法を挙げ、夏よりの細やかな管理が重要と強調。「馬の飼養管理においては何が正解というものはないなかで、なるべく放牧時間を確保して自然に近い状況で管理したいという思いで取り組んでいます」と持論を展開した。
また、冨成雅尚専門役は、「新たな寄生虫対策~ターゲット・ワーミングの紹介~」を演題に講演。これまでの薬では効かない耐性寄生虫、的を絞った駆虫剤の投与であるターゲット・ワーミング、放牧地の糞塊除去、ハローがけといった駆虫以外の寄生虫予防、虫卵数の確認、駆虫剤の効果確認などの具体的な手法の提案について、JRA日高育成牧場で実際に取り組んで得たデータに基づきながら解説した。
講演会には約80人の牧場関係者が出席。地元・三石だけでなく浦河や静内、新冠、日高地区からも熱心な牧場関係者が参加した。