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オルフェーヴルが社台スタリオンステーションにスタッドイン

  • 2013年12月26日
  • 社台スタリオンステーションにスタッドインしたオルフェーヴル
    社台スタリオンステーションにスタッドインしたオルフェーヴル
  • 種付料は600万円。すでにBook Full(満口)と人気は高い
    種付料は600万円。すでにBook Full(満口)と人気は高い
  • 産駒には自身が果たせなかった凱旋門賞(G1)制覇の期待がかかる
    産駒には自身が果たせなかった凱旋門賞(G1)制覇の期待がかかる
  • 到着後はすぐに装蹄師により蹄鉄が外され歩様チェックを受けた
    到着後はすぐに装蹄師により蹄鉄が外され歩様チェックを受けた

 12月25日午後、安平町早来の社台スタリオンステーションに2011年の三冠馬オルフェーヴル(牡5歳)が到着し、来季から始まる種牡馬生活の準備に入った。

 オルフェーヴルは父ステイゴールド、母オリエンタルアート、母の父メジロマックイーンという血統で、白老町の社台コーポレーション白老ファーム生産馬。全兄には2009年の有馬記念(G1)、宝塚記念(G1)、2006年の朝日杯フューチュリティS(G1)などを制覇したドリームジャーニーがいる。

 競走成績は21戦12勝。2011年の3歳時に皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)、菊花賞(G1)を制覇して2005年のディープインパクト以来6年ぶり史上7頭目のクラシック三冠を達成。続く古馬との初対決となった暮れの有馬記念(G1)では1歳上のダービー馬エイシンフラッシュ、女傑ブエナビスタ、ヴィクトワールピサ、ルーラーシップ、ヒルノダムール、アーネストリー、ジャガーメイル、ローズキングダムといった強豪を退けて優勝し、同年の年度代表馬、最優秀3歳牡馬に選出された。

 昨年は宝塚記念(G1)で5つ目のG1勝利をあげると秋はフランスへ遠征。フォワ賞(G2)をステップに出走した凱旋門賞(G1)では直線抜け出して先頭に立ったものの、ゴール直前に内埒へ向かって急激に斜行して失速しソレミアの2着に惜敗した。

 現役最後の年となった今年は、シーズン初戦の産経大阪杯(G2)を快勝。秋には再びフランスへ遠征し、フォワ賞(G2)を楽勝して凱旋門賞(G1)に挑んだが、トレヴの2着に敗退した。ラストランの有馬記念(G1)は8馬身差で圧勝し有終の美を飾った。

 12月22日の有馬記念(G1)後に中山競馬場で引退式を終え、その足で福島県のノーザンファーム天栄に移動したオルフェーヴルは24日夕方、社台スタリオンステーションに向け出発。途中、交通渋滞のため予定していた函館行きのフェリーに乗船できず、当初の予定より2時間遅れでの到着となった。

 史上7頭目の三冠馬の種牡馬入りには、スタリオンスタッフ、生産者の社台コーポレーション白老ファーム関係者、地元・安平町の広報担当、スポーツ紙、一般紙の記者、競馬マスコミ関係者など約50人が出迎え。初めての環境、一面の雪景色にいったん立ち止まったが、周囲を一望して状況を理解すると、納得したような様子で馬運車から姿を見せた。

 オルフェーヴルに用意された馬房は、全兄のドリームジャーニーも過ごしたことがあるという馬房。中に入るとフカフカの寝藁の上に寝転んだり、外の景色を見たりしてリラックスし、長旅の疲れを癒した。

 種付料は新種牡馬としては破格の600万円に設定。社台スタリオンステーション事務局には金額が決定する前から配合申し込みが相次いでいたこともあり、発表と同時にBook Full(満口)となった。

 無事の到着を見届けた社台スタリオンステーション事務局の徳武英介さんは「初年度ということ、種付けに関しては未知数なので150頭ほどで申し込みを止めました。あとは状況を見ながらということになると思います。長旅続きで少し体つきはスッキリしていますが元気そうで安心しました。年内は少しゆっくりさせて環境に慣らすことを最優先させたいと思います。オルフェーヴルは父母とも白老で生まれたホームブレッド。彼の魅力の一つでもあるヤンチャな部分はほどほどに、能力の部分を最大限に伝えてもらって、このメードインジャパンの血を受け継いだ産駒で、いつか凱旋門賞(G1)に挑戦してほしいと思います」と壮大な夢を描いていた。