ロジユニヴァースが優駿スタリオンステーションにスタッドイン
11月13日朝、新冠町の優駿スタリオンステーションに2009年の日本ダービー(Jpn1)優勝馬ロジユニヴァース(牡7歳)が到着し、来季から始まる種牡馬生活の準備に入った。
ロジユニヴァースは父ネオユニヴァース、母アコースティクス、母の父ケープクロスという血統。2003年に日本ダービー(G1)と皐月賞(G1)を制し二冠馬となったネオユニヴァースの初年度産駒になる。
競走成績は10戦5勝。2008年7月のメイクデビュー阪神から、同年10月の札幌2歳S(Jpn3)、同年12月のラジオNIKKEI杯2歳S(Jpn3)、2009年3月の弥生賞(Jpn2)まで無傷の4連勝を達成。クラシック戦線の有力候補となり迎えた皐月賞(Jpn1)は1番人気に推されたものの14着に敗退。初黒星を喫した。しかし、続く日本ダービー(Jpn1)では、不良馬場をものともせずリーチザクラウンに4馬身の差をつけて優勝。父ネオユニヴァースに続きダービー親仔二代制覇を成し遂げた。
古馬になってからは休養は続き昨年の札幌記念(G2)を最後にまたもや休養。復帰を目指して調教を続けていたが、来年は8歳という年齢などが考慮され現役引退を決定。10月30日付で競走馬登録を抹消した。
ロジユニヴァースのスタッドインには、久米田正明オーナーや事務局を務める(株)優駿の役職員、報道陣などが出迎え。久米田正明オーナーが所有する馬運車ロジユニヴァース号を、ご子息の正平氏が自ら運転し、休養先だった千葉県富里のクリスモルステーブルから送り届けた。
馬運車から下ろされたロジユニヴァースは、久米田オーナーが持参したニンジンを差し出すと、甘えるような仕草で頬張った。
新たな環境にも動じない姿にはスタリオンスタッフも感心しきり。「さすがダービー馬。堂々としてますね」とつぶやいた。これまで英愛ダービー馬のコマンダーインチーフ、英ダービー馬のオースなどを繋養してきた優駿スタリオンステーションにとっては、1989年9月の設立以来初めて日本ダービー馬を迎え入れるだけに周囲の関心も高く、すでに来年の種付けに関する問い合わせが寄せられているという。
愛馬の種牡馬入りに久米田オーナーは「私にダービーオーナーという大きな名誉をもたらしてくれた馬です。これまで馬運車を作ったりいろいろしてきましたが、まだまだお礼しないといけないと思っています。凱旋門賞(G1)で日本馬が上位に入線したこともあって、フランスのほうからのオファーもあったのですが、海外だと会えなくなるので優駿さんでお世話になることを決めました。一番印象に残っているのはデビュー勝ちした新馬戦で、ダービー制覇はあとになってから重みを感じるようになりました。寂しい思いもありますが、競走馬として頑張ってくれたので、種牡馬としてもやってくれると思います。なんとかこの馬の仔で、自分の所有馬でなくてもいいからダービーが勝てればと願っています」とエールを送っていた。