ホッカイドウ競馬で13歳馬がデビュー
10月1日、ホッカイドウ競馬開催中の門別競馬場で、13歳にして乗用馬から競走馬に転身したマーチャンダイズ(セン13歳、岡島玉一厩舎、父ホワイトマズル、母ロングシンシア、母の父ワッスルタッチ)がデビューした。
地方競馬全国協会によると1980年以降、地方競馬におけるこれまでの最高齢デビュー記録は、コマチャン(2006年生まれ 2012年門別競馬場でデビュー)、スターイットアップ(1997年生まれ 2003年門別競馬場でデビュー)、ビッグフォーチュン(2002年生まれ 2008年旭川競馬場でデビュー)の6歳。13歳でのデビューはこれらの記録を大幅に更新することになった。
第4レースに出走したマーチャンダイズは576kgの馬体重でパドックに登場。9月16日の競走能力・発走調教検査のときとは明らかに違う気合乗りを見せ、2人引きでパドックを周回した。
レース当日は乗用馬時代にエンデュランス競技でパートナーを務めていた乗馬倶楽部「遊馬ランド グラスホッパー」の荒井亜紀さんも競馬場に駆けつけ応援。無事にデビューを迎えた姿に「乗用馬の時には見せたことがないような気合で競走馬らしい目つき、体つきになってきました。今日は10歳年下の3歳馬に胸を借りる立場ですからね」と見守った。
本馬場入場時には実況アナウンスの坂田博昭さんが「13歳にして大いなる挑戦です」と紹介。レースでは10頭立ての3番人気に支持されたが、スタートで後手を踏むと終始後方を追走し、最後は先頭から4.3秒離された10着でデビュー戦を終えた。
騎乗した坂下秀樹騎手は「13歳での競走馬デビューは、人間でいうと50歳を過ぎてからマラソンに挑戦するようなもの。今日は競馬を教えるつもりで乗りました。思ったよりスタートも出てくれましたし、走り自体は悪くなかったです。ただムチを入れるとどこに飛んでいくかわからなかったので、肩ムチだけで無理はしませんでした。これから少しずつ経験を積んでいけばもっと良くなるのでは」と頑張りを讃えていた。