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タイキマーシャルが死亡

  • 2013年05月02日
  • タイキマーシャル
    タイキマーシャル

 1993年に最優秀4歳以上牝馬となったシンコウラブリイの半弟で97年のエプソムカップ(G3)優勝馬タイキマーシャルが余生を送っていた北海道岩内郡共和町のホーストラスト北海道で死亡した。21歳だった。

 「前日まではいつもと変わらず元気な様子でしたが、4月26日の朝、放牧地で倒れていました。大動脈破裂だったそうです。あまりに突然のことだったのでマーシャルにちゃんとしたお別れを言えなかったのが残念です」と言葉を絞り出してくれたのはホーストラスト北海道の酒井マネージャーだ。

 「放牧地でのタイキマーシャルは、リーダーという位置づけではないのですが、どんな馬とも仲良くしてくれる、とても優しい馬でした。集団放牧では欠かせない存在でした。残念です」と肩を落としている。

 勝気な性格で、レースでも折り合い面に苦労したという現役時代のタイキマーシャルからは想像もできないほどだが、引退して13年と約5ヶ月。いろいろな経験を積み重ねてきたのだろう。

 アイルランド生まれのタイキマーシャルは、まだ出走制限が厳しい時代に外国産競走馬として輸入された。デビューは3歳夏の函館競馬。初戦こそクビ差敗れたが、2戦目にあっさりと勝ち上がると順調にキャリアアップ。5歳春のエプソムカップ(G3)で重賞ウイナーの仲間入りを果たした。しかし、その後はレースに集中しないような競馬を続け、6歳秋に去勢。しかし、それもあまり効果を示さず通算27戦8勝で現役生活を引退している。

 「札幌市内の乗馬クラブから移動してきたのは2010年の11月5日でした。約2年半の付き合いの中で、この馬の優しさですとか、賢さを十分に感じることができました」と酒井さん。「今となっては苦しんだ様子がなかったことが、救われる思いです。今、マーシャルは荼毘に付されましたが、近くにお越しの際は、ダイタクバートラムやポートブライアンズなどタイキマーシャルと過ごした馬たちは元気に過ごしておりますし、思い出話をしにお立ち寄りください」と話している。