馬産地ニュース

愛知杯(G3)2勝馬セラフィックロンプの初仔誕生

  • 2013年04月30日
  • セラフィックロンプの初仔(牡、父アドマイヤムーン)
    セラフィックロンプの初仔(牡、父アドマイヤムーン)
  • 子育ては順調
    子育ては順調
  • 母仔は間もなく広い放牧地へ移動する
    母仔は間もなく広い放牧地へ移動する
  • セラフィックロンプ、今年はエンパイアメーカーと交配予定
    セラフィックロンプ、今年はエンパイアメーカーと交配予定

 2008年、2010年の愛知杯(G3)を制し、一昨年引退したセラフィックロンプが4月19日、初仔となる牡馬を出産した。

 セラフィックロンプは父マンハッタンカフェ、母エルソル、母の父ロイヤルスキーという血統の9歳牝馬。新冠町の守矢牧場で生まれ、井上一郎氏の所有馬として美浦・武藤善則厩舎からデビューした。3歳時に未勝利、500万を勝ち上がり、4歳春の1000万特別で3勝目を挙げると、暮れに愛知杯(G3)へ格上挑戦。51kgの軽ハンデを生かし、見事初重賞制覇を果たした。その後は重賞戦線で力走し、牝馬G1にも駒を進めた。2つ目のタイトル奪取には時間を要したが、3度目の出走となった愛知杯(G3)で先団から積極果敢に抜け出し、後にサマー2000シリーズを制すイタリアンレッド、牝馬G1好走歴のあるヒカルアマランサス、ブロードストリートらの追撃を封じて、2年ぶりの美酒を味わった。通算成績は37戦5勝。

 一昨年、4回目の愛知杯(G3)出走を最後に引退し、守矢牧場へ里帰り。昨年、アドマイヤムーンを種付けし、無事に受胎した。迎えた今年4月、出産予定日よりやや遅れながらも、初仔となる牡馬を出産した。母仔ともに健康で、現在は母自身も幼少期にいた放牧地で、母仔水入らずの時間を過ごしている。守矢牧場の守矢正嗣さんは、「初めての出産でしたが、安産でした。子育ても問題なく、仔馬をよく可愛がっています。生まれた牡馬は最初おっとりしていましたが、日に日に活発になってきました。将来、クラシックを狙える馬に育てていきたいです。」と、意気込んでいる。繁殖入り当時は気性のキツい面を見せていたセラフィックロンプだが、最近では徐々に穏やかになってきたという。放牧地で母仔寄りそう様子からは、母から仔への愛情がひしひしと伝わってきた。セラフィックロンプは今年、エンパイアメーカーと交配する予定。