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キャプテントゥーレの初仔誕生

  • 2013年03月12日
  • 前川ファームで誕生したキャプテントゥーレの初仔
    前川ファームで誕生したキャプテントゥーレの初仔
  • 愛らしい表情は父譲り
    愛らしい表情は父譲り
  • 母ヴィエールソンリも良血馬
    母ヴィエールソンリも良血馬
  • すっかり種馬らしい体型になった父キャプテントゥーレ
    すっかり種馬らしい体型になった父キャプテントゥーレ


 2008年の皐月賞(Jpn1)などに優勝し、昨シーズンから安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬生活を送っているキャプテントゥーレ(牡8歳)の初仔が誕生した。

 数々の活躍馬を送り出して来た名牝の血を受け継ぐ鹿毛の牡馬は、1月27日、日高町の前川ファームで産声を上げた。米国産の母、ヴィエールソンリ(牝15歳)は半弟に05年のジャパンC (G1)などを制したアルカセットがいる血統。昨年のジェイエス繁殖馬セールに上場され、147万円(税込)で同ファームに落札された。

 前川ファームの前川泰浩代表は「繁殖が好みのタイプでしたし、お腹の仔がキャプテントゥーレというのも決め手になり購入しました。出産予定日から2週間遅れたので待ちに待ったという感じでしたよ。体型はまんまお母さんですが、トモの張り具合は種馬が出てますね。走り回っても上体がブレず、当歳なのに安定感があります」と深く降り積もった雪の上を臆することなく駆け回る子馬に目を細めていた。

 キャプテントゥーレは父アグネスタキオン、母エアトゥーレ、母の父トニービンという血統。母は阪神牝馬S(G2)優勝馬、半姉アルティマトゥーレはセントウルS(G2)優勝馬、祖母スキーパラダイスはムーランドロンシャン賞(G1)勝ち馬、曽祖母スキーゴーグルはエイコーンS(G1)を制し、大おじスキーキャプテンはきさらぎ賞(G3)優勝と多くの重賞勝ち馬を擁するファミリーの出身。

 競走成績は20戦5勝。07年7月のデビュー戦ではのちのG1馬アーネストリー、トールポピーに後塵を拝すが、2戦目で勝ち上がり、4戦目のデイリー杯2歳S(Jpn2)で重賞初勝利。朝日杯フューチュリティS(Jpn1)3着、弥生賞(Jpn2)4着を経て出走した皐月賞(Jpn1)では7番人気の低評価を覆して逃げ切り勝ちを収め、父アグネスタキオンに続く同レース父子制覇を成し遂げた。しかしレース後左第3手根骨の骨折が判明し、長期休養を余儀なくされた。復帰後は09年、10年の朝日チャレンジC(G3)を連覇するなど第一線で活躍した。

 初年度となる昨シーズンは89頭に交配。個性豊かな産駒を送り出してきたアグネスタキオンを父に、日本で枝葉を広げる牝系を母に持つキャプテントゥーレは、次世代のトップサイアーと成り得る資質を秘めている。