馬産地ニュース

ザカリヤが死亡

  • 2013年03月07日

 1999年のニュージーランドトロフィー4歳S(G2)の勝馬ザカリヤ(せん馬、父ザフォニック、母ジューンムーン、母の父サドラーズウェルズ)が3日早朝、北海道白老町のホースガーデンしらおいで心臓まひのため死亡した。17歳だった。

 英国産の同馬は、伊達秀和氏の所有馬として2歳12月に中山競馬場の芝1600m戦でデビューした。新馬、特別を連勝後、3戦2勝で挑んだニュージーランドトロフィー4歳S(G2)ではジュエリーソードやタイキトレジャー、ロサードらを相手に追い込み勝ちを決め、NHKマイルC(G1)ではシンボリインディからコンマ1秒差の2着となるなど2歳から3歳春にかけてセンスあふれるレースぶりで活躍した。

 通算成績は27戦3勝(重賞1勝)。6歳秋のカシオペアステークスを最後に引退すると、翌年からは門別町のサンシャイン牧場で種牡馬入り。父のザフォニックは92年の全欧最優秀2歳牡馬で、英2000ギニー(G1)優勝馬。祖母のケレーラは英国の重賞勝馬(チェリーヒントンS(G3))で英1000ギニー(G1)の2着馬。全弟のパチーノが独2000ギニー(G2)優勝馬で、同じく全弟のデュポンは伊、独の2000ギニー(G2)優勝馬。その良血を産駒に伝えて、初年度産駒のアロマンシェスは道営ホッカイドウ競馬からデビューして京王杯2歳S(G2)はマイネルレーニアからコンマ1秒差3着。同じ初年度産駒のティンスクヴィルは道営競馬の重賞競走(華月賞)に優勝。また4年目産駒のレトはニュージーランドトロフィー(G2)3着、アーリントンC(G3)3着、ラジオNIKKEI賞(G3)3着となり、同じく4年目産駒のガナールは南関東の東京ダービーで2着になるなど数少ない産駒は、JRA、公営で活躍した。

 2011年の種付けを最後に種牡馬生活を引退。同年11月から白老町のホースガーデンしらおいで功労馬として余生を送っていた。

 同代表の谷祐介さんは「前日まで、普段どおりに元気に過ごしていましたので、いまだに信じられないという気持ちが強いです。とてもプライドの高い馬で、気の強い面もありましたが、それが魅力でもあったと思います。多くのファンに愛された馬で、今回の訃報を聞いて、さっそく駆けつけてくださった方もいらっしゃいました。冥福を祈るとともに、残された産駒の活躍を期待したいです」と言葉少なに語った。

 なお、同ガーデンでは、ゴールデンウィークの頃まで同馬が使用していた馬房に祭壇を設置して、ファンに開放するという。