馬産地ニュース

ヴィクトワールピサに初仔誕生

  • 2013年02月12日
  • 長女となるレディマールボロの2013
    長女となるレディマールボロの2013
  • 好奇心旺盛なお転婆娘
    好奇心旺盛なお転婆娘
  • 立ち姿を披露したワイの2013
    立ち姿を披露したワイの2013
  • 世界へ羽ばたくことを期待されている
    世界へ羽ばたくことを期待されている

 2011年のドバイワールドC(G1)を日本馬として初制覇を成し遂げ、日本の競馬ファンを熱狂させたヴィクトワールピサ(牡6歳)の初年度産駒が1月2日、安平町の追分ファームで産声を上げた。

 米重賞勝ち馬の母レディマールボロ(牝9歳)との間に生まれた栗毛の牝馬は、寒い季節でも暖かく、十分な運動量を確保するために作られた屋内パドックで元気な姿をみせた。

 デビュー当時からヴィクトワールピサに注目していたという同ファームの吉田正志さんは「あんな馬がつくりたくて、大きめの繁殖にネオユニヴァースを付けたりいろいろやってみたんですが思い通りにいかなくて。種牡馬になってからは力を入れてたくさん種付けしましたよ。産駒は現在3頭生まれていますが、どの馬も父似でこんな子馬が生まれて欲しいなと思った通りで嬉しいです。しっかりした馬体に適度な柔らかさがあり、安心感のある体つきをしています」と納得の表情を浮かべた。

 そしてもう1頭、自慢のヴィクトワールピサ産駒を紹介してくれた。1月24日に生まれた鹿毛の牡馬。愛国産の母ワイ(牝5歳)はその母に全欧2歳牝馬チャンピオンRumplestiltskin、曾祖母にキングマンボの母ミエスクを持つ良血馬だ。「母のワイにとっても初仔になりますが、やはり大きめのサイズで丈夫そうな体のつくりをしています。牝系は世界的な良血馬ですし、世界を目指せる馬に成長してくれれば」と期待を寄せている。

 ヴィクトワールピサは父ネオユニヴァース、母ホワイトウォーターアフェア、母の父マキアヴェリアンという血統。半兄にはアサクサデンエン(安田記念(G1))、スウィフトカレント(小倉記念(G3))がいる。

 2009年10月、京都競馬場でデビュー。ローズキングダムの2着に敗れたが、2戦目に勝ちあがると京都2歳S、ラジオNIKKEI杯2歳S(Jpn3)、弥生賞(G2)、皐月賞(G1)と怒濤の5連勝。父仔2代で皐月賞馬となった。同年有馬記念(G1)も制し、2010年JRA最優秀3歳牡馬に選出された。2011年はドバイへ遠征。日本産馬として初めてドバイワールドC(G1)を制覇する歴史的快挙を成し遂げた。競走成績は15戦8勝、総獲得賞金は5億9595.4万円(国内のみ)。

 昨シーズンから安平町の社台スタリオンステーションで繋養され、初年度は150頭の花嫁を集めた。その中には98年のオークス馬エリモエクセルや94年の最優秀3歳牝馬ヤマニンパラダイス、2009年のエリザベス女王杯(G1)優勝クィーンスプマンテ、英サンチャリオットS(G1)を3連覇したサプレザのほか、ファレノプシスの母キャットクイル、ハットトリックの母トリッキーコード、キャプテントゥーレの母エアトゥーレなど豪華な顔ぶれ。サンデーサイレンスの孫世代、次世代に血を繋ぐ重要な種牡馬として大きな役割を担っている。