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フラッシュオブスティールが死亡

  • 2013年01月17日

 日本軽種馬協会静内種馬場で余生を送っていたフラッシュオブスティール(30歳)が1月14日、老衰のために亡くなった。30歳だった。

 同馬は、父クリス、母スパークオブファイア(その父ランザゴントレット)という血統の愛国産馬。日本でいえば日本ダービー馬で年度代表馬のダイナガリバーや初代三冠牝馬のメジロラモーヌと同じ1983年生まれ。第2回ジャパンカップを勝ったハーフアイストや同レースに出走していた全米芝牝馬チャンピオン、エイプリルランの馬主としても知られるファイアストーン夫妻のオーナーブリーディングホース。2歳時はベレスフォードS(愛G2)(芝8ハロン)など5戦3勝。3歳シーズンはテトラークS(愛G3)(芝7ハロン)から始動。ここを快勝すると、5月17日に行われた愛2000ギニー(愛G1)(芝8ハロン)に出走。6頭立て4番人気での出走だったが、不良馬場を味方にM・キネーン騎手の絶妙なペース配分で、英2000ギニーの2~4着馬を尻目に逃げ切っている。その後、英国ダービー(英G1)にも出走したが、シャーラスタニ、ダンシングブレーヴから離された6着に敗れている。

 通算9戦5勝(重賞3勝)で引退すると1987年からアイルランドで種牡馬となり、3シーズンを過ごしたあと1989年にJRA日本中央競馬会が購入。同年10月19日に日本に輸入され、サンデーサイレンスの同期生でケンタッキーダービー(G1)3着のオウインスパイアリング、同じく同期生で9戦8勝キンググローリアスらとともに1990年から日本軽種馬協会静内種馬場で供用を開始した。

 父のクリスは全欧チャンピオンマイラー(2回)で、1985年の英愛チャンピオンサイアー。クリスからシャーペンアップ、エタン(本邦輸入種牡馬)からネイティヴダンサーにさかのぼる父系は、当時人気を集めていたオグリキャップと同じ。そんな後押しもあって初年度の種付料は100万円(税別)でスタートし、初年度から50頭に配合。上々のスタートを切った。

 初年度から重賞2勝ナガラフラッシュ(小倉3歳S(G3)、テレビ東京3歳牝馬S(G3))リキサンフラッシュ(クイーンS(G3)4着)などを出して存在感を示したが、当時は次々と高額種牡馬が輸入される時代。供用5年目には初年度産駒の活躍で自己最多の67頭に配合したが、その2年後は8頭と激減。97年からは九州種馬場に活躍の場を求めたが、2004年の種付を最後に那須種馬場、2010年から静内種馬場で余生を送っていた。

 ほか、おもな産駒にはレフトチェスマン(上山・上山優駿樹氷賞)クラトリジッコウ(九州ダービー2着)などがいる。