フリオーソがダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックスにスタッドイン
1月9日午前8時30分、日高町のダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックスに、今季から種牡馬生活に入るフリオーソ(牡9歳)がスタッドインした。
フリオーソは父ブライアンズタイム、母ファーザ、母の父ミスタープロスペクターという栗毛の新冠町・ハシモトファーム生産馬。一族には1985年の愛2000ギニー(G1)、1986年、1987年の英チャンピオンS(G1)など英愛仏でG1 9勝をあげる活躍を見せて「鉄の女」と呼ばれたトリプティクがいる。
南関東・船橋の名門、川島正行厩舎に所属し、競走成績は39戦11勝。2006年には全日本2歳優駿(G1)を制しNAR2歳最優秀馬に選出。2007年はジャパンダートダービー(Jpn1)に優勝し、NAR年度代表馬とNAR3歳最優秀馬に選ばれた。
2008年は帝王賞(Jpn1)とダイオライト記念(Jpn2)を制覇し、2年連続となるNAR年度代表馬とNAR4歳以上最優秀馬のダブルを達成。2009年にはダイオライト記念(Jpn2)連覇を果たし、再びNAR4歳以上最優秀馬となった。2010年は2年ぶりとなる帝王賞(Jpn1)と日本TV盃(Jpn2)に勝利し、3度目のNAR年度代表馬と3年連続となるNAR4歳以上最優秀馬を獲得。2011年にはそれまで3年連続で2着に惜敗していた川崎記念(Jpn1)と地元・船橋のかしわ記念(Jpn1)を先頭でゴールを駆け抜け、4度目のNAR年度代表馬と4年連続のNAR4歳以上最優秀馬に輝いた。
昨年12月の東京大賞典(G1)を最後に現役を引退。2歳から8歳まで7シーズンに渡り地方競馬の王者に君臨し、ヴァーミリアン、カネヒキリ、スマートファルコン、トランセンド、エスポワールシチー、テスタマッタ、サンライズバッカス、サクセスブロッケン、アロンダイト、ブルーコンコルド、オーロマイスター、アジュディミツオー、ボンネビルレコードといった近年のダートG1/Jpn1勝ち馬たちと互角に渡り合った。
1月7日に船橋競馬場で引退式を行ったフリオーソは8日朝、川島正行厩舎から北海道へ向け出発。新たな生活を始めるダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックスでは三嶋健一郎ダーレー・ジャパン(株)代表取締役社長や加治屋正太郎ノミネーションマネージャーなどスタッフが総出で出迎えた。
寒空の下、馬運車からスタッドインしたフリオーソは長旅の疲れも見せず元気一杯。慣れない環境に動じることなく、光り輝く栗毛の馬体を披露した。到着時の馬体重は511kg。ボディチェックが終わると真新しい真鍮のネームプレートが貼られた馬房へ入り、ゴロンと寝転がってリラックスした。
到着後にはさっそくフリオーソを生産したハシモトファームの橋本浩さん夫妻が陣中見舞い。愛馬に対面すると優しく声をかけ歴戦の労をねぎらった。印象に残っているレースは?という質問に橋本さんは「勝ったレースより負けたレースのほうが印象に残っています。フリオーソにはいろいろな競馬場に連れて行ってもらいました。ここまで育ててくれたオーナーや川島先生をはじめとした関係者の方々には感謝の気持ちでいっぱいです」と思い出を振り返り、「自分の牧場では4頭くらい種付けを予定しています」と二世に夢を馳せていた。
フリオーソの種付料は出生条件の50万円(産駒誕生後30日以内支払)。加治屋正太郎ノミネーションマネージャーは「脚元の不安を克服して良く走ってくれました。ちゃんとした調教ができれば、かなり強かったのではと思います。ダート馬にしては薄くてきれいなラインをした好馬体をしています。2月18日の展示会までにしっかり仕上げて、生産者の方に好馬体をアピールしたいと思います。体高も167cmと大きいので、仔出しにも期待できそうです」と新たなパートナーにエールを送っていた。