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ルーラーシップが社台スタリオンステーションにスタッドイン

  • 2013年01月07日
  • スタッドインには社台スタリオンステーションのスタッフが総出で出迎え
    スタッドインには社台スタリオンステーションのスタッフが総出で出迎え
  • スタッフに甘えるルーラーシップ
    スタッフに甘えるルーラーシップ
  • サンデーサイレンス系繁殖牝馬との配合が可能なキングカメハメハの初後継として期待は大きい
    サンデーサイレンス系繁殖牝馬との配合が可能なキングカメハメハの初後継として期待は大きい
  • マイクロチップのチェックを受けてから馬房に入った
    マイクロチップのチェックを受けてから馬房に入った

 2012年の香港国際競走、クイーンエリザベスⅡ世C(G1)に優勝したルーラーシップ(牡6歳)が安平町の社台スタリオンステーションにスタッドインし、2013年シーズンからスタートさせる種牡馬としての準備に入った。

 ルーラーシップは父キングカメハメハ、母エアグルーヴ、母の父トニービンという鹿毛の安平町・ノーザンファーム生産馬。1997年JRA年度代表馬エアグルーヴの8番仔で、祖母ダイナカールは1983年のオークス馬、半姉のアドマイヤグルーヴは2003年、2004年のエリザベス女王杯(G1)優勝馬、半兄のフォゲッタブルは2009年のステイヤーズS(G2)勝ち馬、半妹のグルヴェイグは2012年のマーメイドS(G3)優勝馬という超良血で、2007年のサンデーサラブレッドクラブにおいて1億8000万円で募集された。

 競走成績は20戦8勝。2010年の鳴尾記念(G3)で重賞初制覇を飾ると、2011年は日経新春杯(G2)、金鯱賞(G2)に優勝。2012年はアメリカジョッキークラブC(G2)を制すると4月に香港へ遠征し、クイーンエリザベスⅡ世C(G1)を快勝し、悲願のG1制覇を世界の強豪が集まる海外G1で成し遂げた。秋は天皇賞(秋)(G1)、ジャパンC(G1)、有馬記念(G1)ともスタートの出遅れが響き3着に惜敗。2013年シーズンも現役続行という選択肢もあったが、生産界から高い評価でのオファーがあったため、現役引退と種牡馬入りが決まった。

 2012年12月26日付で競走馬登録を抹消したルーラーシップは、休養していた福島県のノーザンファーム天栄から馬運車に揺られ12月28日昼頃、生産者のノーザンファームやスタリオンスタッフが待つ社台スタリオンステーションに到着。晴れ渡る空の下、元気な姿でスタリオンに足を踏み入れた。

 用意された馬房は、かつてノーザンテーストやトニービン、ミスターシービーらが暮らした社台スタリオンステーションで最も古く由緒ある厩舎。新たな住まいに入ると何度も寝藁の上に寝転んで歴戦の疲れを癒した。これからは偉大な先輩種牡馬が過ごした場所で、新たな歴史を築いていく。

 母エアグルーヴにとってはサムライハートに次いで2頭目、父キングカメハメハにとっては初の後継種牡馬。2013年シーズンの種付料は250万円(受胎確認後支払い。フリーリターン特約付き)となっている。事務局の徳武英介さんは「本馬は全盛期のサンデーサイレンス産駒と戦って結果を残した父と母の結晶です。生まれたときから種牡馬にしたい馬でしたし、育成時代から身体能力の高さは疑いようがありませんでした。秋3戦は勝ちに等しい3着だったと思っています。欲を言えば国内のG1にも勝ってほしかったですが、キングカメハメハの後継として、サンデーサイレンス系繁殖牝馬の配合相手として熱望されての種牡馬入りです。G1で力を発揮する血統ですので楽しみです」と国内G1制覇の夢を産駒に託していた。