馬産地ニュース

「サンクスホースデイズ」にG1馬、JRA騎手が登場

  • 2012年08月31日
  • 講演を行う小島愛子氏
    講演を行う小島愛子氏
  • JRA騎手、馬術選手がイベントに参加
    JRA騎手、馬術選手がイベントに参加
  • 障がい者乗馬の疑似体験をする藤岡佑介騎手
    障がい者乗馬の疑似体験をする藤岡佑介騎手
  • 乗馬の効用に関する実験に協力する荻野琢真騎手、北村宏司騎手
    乗馬の効用に関する実験に協力する荻野琢真騎手、北村宏司騎手
  • 華麗なジャンプを披露したデルタブルース
    華麗なジャンプを披露したデルタブルース
  • デルタブルースについて語る角居勝彦調教師、進行役は広田龍馬氏
    デルタブルースについて語る角居勝彦調教師、進行役は広田龍馬氏

 浦河町で行われた第3回「Thanks Horse Days」2日目には、JRA騎手やかつてのG1馬が登場し、会場には約300人が来場した。

 土日のJRA競馬開催日を終えた8月27日、馬産地・浦河のイベント会場へJRA騎手が訪れた。参加したのは荻野琢真騎手、川島信二騎手、北村宏司騎手、小林慎一郎騎手、藤岡佑介騎手、宮崎北斗騎手の6名。他にも国内を代表する馬術競技選手の大岩義明氏、草薙達也氏、白井岳氏、広田龍馬氏が加わり、プロの騎乗者が「馬に感謝する日」に集った。

 11時から始まったわらしべ乗馬療育研修センター理学療法士・小島愛子氏による講演「乗馬の効用―疑似障がい者乗馬体験―」では、乗馬による身体機能・ストレス変化の実験を行い、JRA騎手が実験に参加する人馬のリード役を務めた。また、藤岡佑介騎手、白井岳氏は目隠しや腕を固定して馬に跨り、体の不自由な方の感覚を体験した。講演を手がけた小島愛子氏は、「騎手、馬術選手の皆さんにも協力いただき、障がい者乗馬の関心を高めることができたと思います。今後は乗馬の効用を数値化し、更に研究を進めていきたいです。」と、振り返った。講演では海外の情報も取り入れ、スライドショーや写真、測定機器を用いた丁寧な説明に、来場者は深く頷いていた。

 正午過ぎには宮田朋典氏が馬とのコミュニケーションについて馬場で実演し、閉会式後はオプション企画としてJRA騎手、馬術競技選手によるトークショーと、乗用馬を起用しての模範演技が行われた。

 トークショーでは広田龍馬氏が軽妙な語りで進行役を務め、JRA騎手、馬術競技選手が馬の魅力について語り合った。質問のコーナーでは「上手に馬に乗るコツは何ですか?」、「尊敬する騎手は誰ですか?」、「騎乗馬とうまくコンタクトをとるには?」といった馬に関する質問が多数飛び出し、JRA騎手から馬術選手へ質問する場面もあり、馬をテーマに多岐に及ぶ話が展開された。

 トークショーの終わりにはJRA騎手、馬術競技選手が改めて挨拶し、「馬は病んでいる人を助けることもできる。その優れた力をもっと広げていきたい。」、「初めて参加しましたが、素晴らしいイベント。これからも協力していきたい。」、「馬の生きる道をもっと増やしていきたいと思いました。」「勝ち負けを競うレースだけじゃなく、馬について広い視点を持つことも大事だと思いました。」と語り、場内から拍手喝采を浴びていた。

 馬術披露の企画ではG1馬デルタブルースが登場し、乗用馬として上達した姿をアピール。現役時代管理していた角居勝彦調教師は菊花賞、メルボルンカップ制覇に至るエピソードを紹介した。また、白井岳氏による模範演技では人馬一体となって高いハードルを飛越し、一流選手の技術に場内から熱い視線が送られていた。