日高町から被災馬が全頭南相馬市へ移動
5月25日、昨年の東日本大震災の影響で日高町に避難していた被災馬の最後の移動があり、日高町家畜自衛防疫組合に繋養されていた残りの8頭が福島県南相馬市へ向け移動した。
日高町は昨年8月から2月までの間に合計52頭の被災馬を受け入れ。帰郷は4月13日から毎週1回のペースで7回に分けて行われた。
午後4時30分から始まった最後の被災馬の積み込みには、被災馬の治療に当たっていた園田要日高軽種馬農業協同組合診療部長や日高町関係者などが立ち会い見送った。旅立ちには地元新聞社のほか、福島県からもTV局が取材に訪れた。
約8か月間、被災馬たちの管理をしてきたスタッフは「無事に送り出せることができてよかったですが、今日でお別れと思うと寂しいですね。向うでも元気に過ごしてくれることを祈っています」と安堵感と悲しみが入り混じった様子だった。
2台の馬運車に分乗した被災馬8頭は苫小牧港からフェリーに乗り込み、八戸港を経由して南相馬市へ帰郷。すでに南相馬市へ戻った馬たちは7月に開催される南相馬市の伝統行事「相馬野馬追」へ向けて調教を開始しているという。
津波に飲まれながらも奇跡的に助かったダンツムソウを預けていた稲田一哉さんは「馬たちはふっくらとして毛艶も良い状態で戻ってきました。これから野馬追いに向けてしっかりと調教していきたいと思います。日高町の方や支援していただいた関係者の方々には感謝の気持ちでいっぱいです」と話していた。