馬産地ニュース

静内農業高校でヨハネスブルグ産駒が誕生

  • 2012年05月09日
  • 今年生まれた当歳牝馬(父ヨハネスブルグ)
    今年生まれた当歳牝馬(父ヨハネスブルグ)
  • 母ゴートゥザノース
    母ゴートゥザノース
  • 集牧の様子
    集牧の様子
  • 管理・育成に励む生徒の皆さん
    管理・育成に励む生徒の皆さん

 全国で唯一、競走馬の生産をしている公立高校として知られる北海道静内農業高校(新ひだか町静内)でヨハネスブルグ産駒が誕生した。

 生まれた当歳馬は父ヨハネスブルグ、母ゴートゥザノース、母の父アグネスタキオンという血統の牝馬。母馬は中央競馬で未勝利に終わったが、祖母オークミードⅡは英オークス(G1)、愛オークス(G1)で3着の好走歴がある。出産は予定日より少し遅れたが、4月19日午後7時頃、無事に誕生した。

 母仔を担当している佐藤嶺さん(生産科学科2年)は、「生まれた瞬間は本当に嬉しかったです。」と、喜びいっぱい。仔馬については、「大きくて脚が長いですね。目つきや性格は母馬に似ています。」と、紹介する。しばらく小さな放牧地で様子を見た後、今月から広い放牧地へと移す予定だ。

 母ゴートゥザノースにとっては5頭目の出産で、同校に来てからは2頭目。来年の交配相手は地元スタリオン関係者の助言も受け、凱旋門賞馬のバゴに決まっている。「母馬はわがままな面こそありますが、子育ては上手です。パワーがあるので、出し入れの時は引き手を持っていかれないように気を付けています。」とは井出坂駿也さん(生産科学科2年)のお話。佐藤さんと一緒に担当を任されている。

 北海道の環境を生かして軽種馬生産を体験できる魅力に誘われ、同校には全国各地から生徒が集う。佐藤さんは愛知、井出坂さんは兵庫の出身。他にも道内各地、青森、宮城、茨城、神奈川、神戸から来た生徒が馬に学んでいる。

 同校生産馬としては10年前に生産したユメロマンが中央競馬で3勝。現役生活4,500万円以上を稼ぐ大活躍を見せて話題となった。昨年も2008年生産馬ゴーゴーヒュウガが中央競馬で初勝利をマークし、続く生産馬にも期待が高まっている。佐藤さんは、「力を合わせてしっかり育てていきたい。血統は良いし、無事にデビューして、クラシックに出走できる馬になってくれたら最高ですね。」と、目を輝かせている。