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メイショウサムソンの初年度産駒が能力検査デビュー

  • 2012年03月30日
  • 先頭からあっさり抜け出したアイビスティ
    先頭からあっさり抜け出したアイビスティ
  • 鋭い脚で3馬身突き放した
    鋭い脚で3馬身突き放した
  • 父に似て腹袋が大きい
    父に似て腹袋が大きい
  • イナズマクロス最後の仔、スエヒロエンペラー(黒帽)
    イナズマクロス最後の仔、スエヒロエンペラー(黒帽)
  • 本番さながらの流れを体験する2歳馬たち
    本番さながらの流れを体験する2歳馬たち

 3月29日、門別競馬場では2歳馬による今年2回目の能力検査が行われ、今年初年度産駒がデビューするメイショウサムソンの産駒が初登場した。

 メイショウサムソンは2006年の東京優駿日本ダービー(G1)、皐月賞(G1)、2007年の天皇賞(G1)春秋連覇した輝かしい実績馬で、2009年より社台スタリオンステーションで種牡馬生活を送っている。種付料は初年度が250万円、2年目以降は200万円の設定で、3年連続で100頭を超える交配頭数を記録している。

 今回、受検した産駒はアイビスティという牝馬で、母アイビスティアラ、母の父アグネスタキオンという血統。浦河町の浦河日成牧場の生産馬で、メイショウサムソンを管理していた瀬戸口勉元調教師が馬主として、昨年のHBAオータムセール1歳に上場した際に367万5,000円で購入した。その後、ホッカイドウ競馬の田中正二厩舎に入厩し、3月末の早い時期での能力検査デビューに至った。

 正午過ぎ発走の第2レースに登場したアイビスティは、きっちりスタートを決めると楽に先行し、4コーナーまで持ったままの手応えで追走。直線半ばで川島洋人騎手が気合いをつけると、さっと反応して後続を3馬身突き放してゴールした。ダ800m(やや重)のタイムは54秒4。道中の折り合い良く、軽快なスピードと素軽い脚捌きを見せて、デビュー勝ちを狙える好内容だった。現時点での馬体重は426kgと小柄だが、父同様に成長力が見込め、高い到達点を意識できるだろう。数々のG1馬を手がけた名伯楽が、今度はオーナーとして有力馬を送り込む。

 この日の能力検査にはアイビスティを含めた58頭の2歳馬が受検し、57頭が合格。今年初年度産駒デビューとなるジャイアントレッカー、パーソナルラッシュ、フサイチリシャールの産駒も合格した。第8レースには1991年のクイーンステークス(G3)優勝馬イナズマクロスの最後の仔となるスエヒロエンペラー(牡2歳 父スエヒロコマンダー)が受検し、こちらは53秒6の時計で入線した。騎乗した山口竜一騎手は、「バランスの良い馬で、終いよく伸びました。まだ走る気に欠けるところがありますが、これからグンと成長していくでしょう。」と、乗り心地を伝えた。こちらは父そっくりの派手な流星で、同じスエヒロコマンダー産駒の道営出身馬イナズマアマリリスに続く重賞制覇を目指す。

 2歳馬の能力検査は引き続き、4月25日(水)のホッカイドウ競馬開幕まで毎週木曜日に行われる。