レジネッタに初仔誕生
2008年の桜花賞(Jpn1)優勝馬で、昨シーズンから故郷に戻り繁殖生活を送っているレジネッタの初仔が、2月7日午後11時50分、繋養先である安平町の追分ファームで元気な産声を上げた。
初仔の父は2010年のキングジョージ六世&クイーンエリザベスS(G1)をコースレコードで圧勝したハービンジャー。初年度同士の配合で誕生した栗毛の牡馬は「両親から長所だけを受け継いだ」と早くも注目を集めている。
レジネッタは父フレンチデピュティ、母アスペンリーフ、母の父サンデーサイレンスという血統。07年9月の札幌でデビュー。デビュー戦こそ10着という結果だったが、続く未勝利、500万条件を連勝。フィリーズレビュー(Jpn2)3着で桜花賞(Jpn1)への切符を手に入れると、桜花賞(Jpn1)では横一線に並んだ激しい競り合いの中、外から豪快に追い込み優勝を果たした。競走成績は28戦4勝。総獲得賞金は2億7390万4000円。
引退後は種付けから出産まで何のトラブルもなく、スムーズに母親への道を進んだ。同ファーム事務局の伊関太郎さんに話を伺うと「現役時代は悍性の強い馬でしたが、今ではすっかり落ち着いて母親らしくなりました。引退後、浅見秀一調教師が会いに来られて“このくらい大人しかったらもっと勝てたのになぁ”とぼやいていたほどです。ハービンジャーの産駒は他にも何頭が生まれていますが、全体的にしっかりした仔を出す印象。この仔も体は父親似、奇麗な顔立ちは母親似ですね。」と順調そのもの。
レジネッタの母アスペンリーフは「しつけに厳しい教育ママタイプ」なのだそうだが、娘の子育ては少し違うようで…。
「過保護過ぎず放任すぎず、一番手のかからない理想的な距離感を保っていますね。子育てのセンスも抜群」と伊関さんは目尻を下げる。すると突然、子供に“付いておいで”と言わんばかりに走り出すレジネッタ。深く積もった雪の上、母を追いかけ必死に走るのは当歳にとってかなりのハードトレーニング。彼女は別の意味で教育ママなのかも知れない。