エンパイアメーカーの本邦初産駒が誕生
昨シーズンから新ひだか町の日本軽種馬協会(JBBA)静内種馬場で種牡馬生活を送っているエンパイアメーカー(牡12歳)の本邦初産駒が1月31日夜、日高町の天羽牧場で誕生した。
その注目の当歳仔は母フレンチバージン(牝10歳)との間に生まれた鹿毛の牡馬。叔母に桜花賞馬キストゥヘヴン、一族にはロンググレイス(エリザベス女王杯)、ファイアーダンサー(京都牝馬特別(G3))、ラッキーオカメ(北九州記念(G3))、セフティーエンペラ(福島記念(G3))などの活躍馬がいる、天羽牧場所縁のファミリーとなる。
人懐っこく好奇心旺盛で物怖じしない性格は大物感十分。天羽繁場主は「エンパイアメーカーは海外でも産駒が走っている世界の一流種牡馬ですので期待していました。父に似てしっかりした骨格の仔が生まれましたね」と元気に成長する愛馬をあたたかい目で見つめていた。
エンパイアメーカーは父アンブライドルド、母トゥサード、母の父エルグランセニョールという黒鹿毛のアメリカ産馬。現役時代はベルモントS(G1)、フロリダダービー(G1)、ウッドメモリアルS(G1)、ケンタッキーダービー(G1)2着など、通算8戦4勝2着3回3着1回の成績を収めた。
2004年からアメリカのジャドモントファームで種牡馬入りすると、2007年にデビューした初年度産駒からロイヤルデルタ(BCレディーズクラシック(G1))、パイオニアオブザナイル(サンタアニタダービー(G1))、カントリースター(アルシビアデスS(G1))、アコマ(スピンスターS(G1))、ムシュカ(スピンスターS(G1))、アイコンプロジェクト(パーソナルエンスンS(G1))、グレイスホール(スピナウェイS(G1))と5年連続でG1レース勝ち馬を輩出。海外に残した産駒はセールにおいて、軒並み高額で取引されている。
日本でも数少ない持込産駒からフェデラリストが今年の中山金杯(G3)に優勝。新年早々、吉報をもたらした。
鳴り物入りでJBBA静内種馬場に導入された昨シーズンは、日高管内に供用された新種牡馬では最多となる204頭に種付け。供用2年目の今シーズンは昨年以上の配合申し込みがあったという。
本邦初産駒誕生の知らせに中西信吾JBBA静内種馬場長は「大きくてしっかりした良い馬が生まれたと聞いて安心しました。エンパイアメーカーの産駒はアメリカで何頭も見てきましたが、仔出しが良くしっかりした産駒が多いので、日本の競馬にも合いそうと思っていました。これからも続々と誕生するので楽しみです」。エンパイアメーカーは繁殖シーズンに向け万全の態勢。「今年は昨年以上の配合が予定されています。2月20日の種牡馬展示会では、エンパイアメーカーをはじめ繋養種牡馬の雄姿がご覧いただけますので、多くの生産関係者にご来場いただきたいです」と自慢の種牡馬陣をアピールしていた。