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ヴァーミリアンのファーストクロップが誕生

  • 2012年02月01日
  • 母に甘える仕草を見せるヴァーミリアンの初年度産駒
    母に甘える仕草を見せるヴァーミリアンの初年度産駒
  • はにかんだ表情でレンズを見つめた
    はにかんだ表情でレンズを見つめた
  • しっかりした骨格、柔らかい馬体は父譲りと評価が高い
    しっかりした骨格、柔らかい馬体は父譲りと評価が高い

 2007年JRA最優秀ダートホース、2007年ダートグレード競走最優秀馬、2007年NAR特別表彰馬で、国内史上最多となるG1/Jpn1レース9勝、7年連続重賞優勝、史上2頭目のJBCクラシック3連覇、史上1位となるダート競走獲得賞金11億1621万500円、19戦連続G1/Jpn1出走などの記録を持つヴァーミリアン(牡10歳)のファーストクロップの1頭が1月18日、日高町の下河辺牧場で誕生した。

 その注目のとねっこは、母がボートルサンテ(父ティンバーカントリー)という鹿毛の牡馬。叔母はファンタジーS(G3)を勝ち、桜花賞(G1)でも2着となったロンドンブリッジで、いとこにはダイワエルシエーロ(オークス(G1))、ビッグプラネット(アーリントンC(G3)、京都金杯(G3))がいる。

 生れ落ちた産駒について下河辺行雄氏は「骨太で脚が長く、ゆるくて柔らかい馬ですね。父ヴァーミリアンの特徴を良く受け継いでいると思います」。ヴァーミリアンのシンジケート会員でもある下河辺氏は「ダートを得意としていたけど、芝の重賞を勝っていること、引退まで故障らしい故障をしなかった丈夫なところ」を高く評価している。

 ヴァーミリアンはエルコンドルパサーの2年目産駒。母スカーレットレディ、母の父サンデーサイレンスで、半兄にサカラート(東海S(G2))、半弟にキングスエンブレム(シリウスS(G3))、近親にはダイワメジャー、ダイワスカーレットなどがいる血統となる。2002年4月に早来町(現安平町)のノーザンファームで誕生。牧場の同期にはディープインパクト、カネヒキリ、ラインクラフト、シーザリオ、インティライミ、ディアデラノビア、ローゼンクロイツ、キングストレイル、アイルラヴァゲイン、ペールギュント、ライラプス、アンブロワーズなどの重賞勝ち馬がいる。

 競走成績は2歳時~8歳時34戦15勝。主な勝ち鞍には2007年のジャパンCダート(G1)、2008年のフェブラリーS(G1)、2007年、2008年、2009年のJBCクラシック(Jpn1)、2009年の帝王賞(Jpn1)、2007年、2010年の川崎記念(Jpn1)、2006年のダイオライト記念(G2)、2006年の名古屋グランプリ(G2)、2005年の彩の国浦和記念(G2)、2004年のラジオたんぱ杯2歳S(G3)などがある。

 昨シーズン、総額1億2000万円のシンジケートが結成され、安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬入り。ルーキーイヤーとなる昨年は新種牡馬では最多、国内供用種牡馬でも5番目となる216頭に種付けした。素晴らしい競走成績と雄大な馬体、活力あるスカーレット一族の母系を持つエルコンドルパサーの貴重な後継として、関係者の期待は大きい。