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ケイアイガーベラが繁殖入り

  • 2012年01月12日
  • ケイアイガーベラ
    ケイアイガーベラ
  • 母アンナステルツと同じ放牧地、厩舎で過ごしている
    母アンナステルツと同じ放牧地、厩舎で過ごしている

 2010年のプロキオンS(G3)、2011年のカペラS(G3)の勝ち馬、ケイアイガーベラ(牝6歳)が2011年12月15日付でJRA競走馬登録を抹消。この春から繁殖牝馬として第2の馬生をスタートさせる。

 ケイアイガーベラは父Smarty Jones、母アンナステルツ、母の父Danzigという血統。2歳11月のデビュー戦を快勝し、返す刀で2戦目も仕留めてオープン入り。その後は強豪馬に揉まれて足踏みし、降級となったが、3歳秋から連勝を重ねてオープンを突破する。重賞初挑戦となった牝馬重賞、マリーンカップ(Jpn3)では4着に敗れたが、牡馬相手のプロキオンS(G3)で後のJBCスプリント(Jpn1)を制するサマーウインドに4馬身差をつけて先頭ゴールを決め、ダート一線級に数えられる牝馬として名を知らしめた。

 その後もダート短距離で優れた脚力を見せ、オープン特別を2勝。2つ目の重賞制覇も近いと目されていたが、上位人気に推されるも勝ち切れず、重賞勝ちが1年半遠ざかっていた。モヤモヤを吹き飛ばしたのは5歳12月のカペラS(G3)。楽に2番手につけると、直線であっさりと抜け出す強い内容で他馬を圧倒し、待望の重賞2勝目を飾った。このレースが競走馬・ケイアイガーベラとしての有終の美となり、その快速ぶりは鮮烈なまま、ファンの記憶へとしまい込まれた。通算成績は18戦9勝。

 引退後は日高町の牧場を経て1月10日に故郷・隆栄牧場(新冠町)に到着。年をまたいで日高地方はマイナス10度を記録する厳しい寒さが続いているが、真新しい馬服を着て、のびのびと放牧地の雪を踏みしめている。同牧場の飛渡隆さんは、「順調に移動が済みまして、健康状態も良好です。生まれ育った場所ですし、すぐに環境には慣れるでしょう。牧場ではこの馬の母馬であるアンナステルツと一緒に放牧しています。お互い、何となく母仔だとわかっているような雰囲気ですね。今はまだ競走馬らしい体つきですが、この春、無事に受胎して、来春には元気な初仔を生んで欲しいです。かなりスピードのある馬ですし、当然期待は大きいですよ。」と、安堵の表情で未来を見据える。馬の状態を見ながら3月、4月の種付けを予定している。