馬産地ニュース

セラフィックロンプが繁殖入り

  • 2012年01月06日
  • セラフィックロンプ
    セラフィックロンプ
  • セラフィックロンプ
    セラフィックロンプ
  • セラフィックロンプ
    セラフィックロンプ
  • 初年度はアドマイヤムーンを交配予定
    初年度はアドマイヤムーンを交配予定

 2008年、2010年の愛知杯(G3)の覇者、セラフィックロンプ(牝8歳)が12月29日、故郷である新冠町の守矢牧場に到着した。今年から繁殖牝馬として第一歩を踏み出す。

 セラフィックロンプは37戦5勝。父マンハッタンカフェ、母エルソル、母の父ロイヤルスキーという血統。3歳2月にデビューし、2戦目で初勝利を挙げ、その年の暮れには2勝目をマーク。4歳春にはあっさりと1000万クラスも卒業して準オープンへ。一気にオープン入りとはならず、夏には降級を余儀なくされたが、12月に牝馬重賞、愛知杯(G3)に格上挑戦し、16番人気の低評価ながら51kgの軽ハンデを生かして見事優勝した。

 その後の重賞戦線では苦戦を強いられたが、骨っぽいメンバーと戦いながら力をつけ、2010年の京都記念(G2)ではブエナビスタから0.5秒差の5着に健闘。マーメイドS(G3)、府中牝馬S(G3)では2着になり勝ち馬に僅差まで迫った。__2つ目の重賞制覇まであと少しという流れで迎えた32戦目、愛知杯(G3)。トップハンデから1kg軽いハンデが確たるオープン馬の証としてのしかかっていた。イタリアンレッド、ブロードストリート、レジネッタといった手ごわいライバルが出走していたが、持ち前の先行力を生かして抜け出しを図り、最後は叩き合いを制して先頭ゴールを決めた。再び重賞タイトルを掴んだその瞬間、長らく信頼関係を築いてきた鞍上の宮崎北斗騎手は、左手で力いっぱいのガッツポーズを作った。

 2011年12月、ラストランを終えたセラフィックロンプを迎えたのは北海道の冷たいが穏やかな風だった。美浦トレーニングセンターからの輸送もスムーズで、至って元気に年を越している。守矢牧場の守矢正嗣さんは、「もともと育った場所ですからね、環境にはすぐ慣れてくるでしょう。飼い葉も残さず食べています。時折見せるチャカチャカした感じは当歳時と変わらなくて、面影を感じていますよ。サンデー系牝馬なので、交配相手に限られるところはありますが、クラシックを意識できる馬を生み出したいですね。ロンプはG3を勝つことができたので、仔にはG2、G1という思いがあります。」と、期待を込めている。

 気になる初年度の交配相手はアドマイヤムーン。競走成績、初年度産駒の活躍を受けてのチョイスだ。今後、“ロンプ”の状態を見ながら、3月、4月に種付けをする予定だという。最後に守矢さんは、「無事に牧場に帰ってきました。セラフィックロンプの仔が競馬場で走ったら、また応援して欲しいです。」と、メッセージをくれた。