馬産地ニュース

日高町で馬をテーマとしたコンサートを開催

  • 2011年11月24日
  • コンサートには約300人が来場
    コンサートには約300人が来場
  • 北海学園大学・古林教授による講演
    北海学園大学・古林教授による講演
  • 馬の毛を用いた楽器を披露する「ノンノン・マリア」の奏者
    馬の毛を用いた楽器を披露する「ノンノン・マリア」の奏者
  • JRA日高育成牧場、馬女ネットの協力でパネル展を実施
    JRA日高育成牧場、馬女ネットの協力でパネル展を実施
  • 演奏者の皆さん
    演奏者の皆さん

 11月23日、門別競馬場からほど近い門別総合町民センター(日高町)で、「とねっこピアノコンサートVol.2『パストラル』~四季に寄せて~」(主催:とねっこピアノコンサート実行委員会)が行われた。

 これは音楽を通し、子供たちと共に馬への関心を高めてもらうために企画されたコンサートで、胆振・日高在住のピアノ教師とその生徒の保護者からなる8人が実行委員を務める。今回はコンサートに先立ち、11月13日(日)に門別競馬場で文化的な馬の理解を深めるワークショップ(ホッカイドウ競馬協力)も実施し、祝日にコンサート開催となった。

 コンサートは約300人が来場し、日高町、苫小牧の幼児から中学2年生18人が演奏した。曲は「草競馬」「馬に乗って」「貴婦人の乗馬」「勇敢な騎手」など、馬にまつわるものばかりで、春の曲から始まり、牧場での四季の移ろいを意識した順序が組まれた。また、札幌交響楽団の弦楽器奏者4人で結成される「ノンノン・マリア」がゲスト出演し、「さらばハイセイコー」などを披露。ラストは「見上げてごらん夜の星を」を演奏し、コーラスの方が手話をつけて会場の来場者と一緒に歌い、幕を閉じた。

 今回のコンサートでは1部と2部に分かれ、2部の冒頭では北海学園大学・古林英一教授による講演が行われ、「馬から学んだこと」と題して、来場者の大部分を占める子供にもわかりやすいイラスト付き資料を配布し、馬と北海道開拓の歴史や、現在どのような場面で馬が活用されているかを説いた。

 古林教授は、「ご来場いただいた皆さん、特にお子さんは馬という生き物は競馬場で走るイメージが強いと思ったので、北海道の歴史をひもときながら、馬はかつての農業、林業、鉱業において欠かせない存在で、トラクターやトラックの代わりとなって頑張っていたこと、現在は観光や乗馬、ホースセラピーでも重要な役割を果たしていることを伝えたいと思いました。コンサートでは上手にピアノを弾く小さな男の子が多くて驚きました。将来、『僕はピアノが弾けるし、乗馬もできる』と言えたら格好良いですよね。とてもお洒落なことだと思います。この機会を通じ、子供たちの音楽と馬への関心が高まってくれたら幸いです。」と、振り返った。

 会場内ではJRA日高育成牧場、馬女ネットの協力により、馬についてのいろはを学ぶパネル展も行われ、勝負服や騎手が着用するズボンが展示された。運営にあたった実行委員会のスタッフは、「まだ始めたばかりで課題もありますが、無事に成功して一安心です。今後も音楽を通じて、文化的に馬を知る機会を作っていきたいと思います。5年は続けていきたいですね。」と、はつらつと話してくれた。

 時期は未定だが、このコンサートは来年も開催予定。音楽と馬を結ぶイベントとして、定着していくことだろう。