スターキングマンが青森へ移動
2003年の東京大賞典(G1)覇者で、日高町のブリーダーズスタリオンステーションに繋養されていたスターキングマン(牡12歳)が10月17日、青森県の太田ファームへ移動した。来シーズンからは新天地で種牡馬生活を続ける。
スターキングマンはタニノギムレット、シンボリクリスエス、ゴールドアリュール、アドマイヤドン、テレグノシスらと同期。父キングマンボ、母プリンセスティミド、母の父ブラッシンググルームという栗毛の米国産馬で、半兄にはマーヴィンリロイH(G1)勝ち馬のルイシプル、ローベルパパン賞(G2)勝ち馬のサイコバブル、甥には白山大賞典(Jpn3)勝ち馬のアドマイヤスバルなどがいる。
競走成績は42戦7勝。3歳2月に阪神競馬場でデビューすると、2戦目に芝コースを使われた以外は徹底してダート競馬を使われ、長く交流重賞などで活躍した。3歳時にダービーグランプリ(G1)で2着などしていたが、本格化したのは4歳になってから。日本テレビ盃(G2)で重賞初勝利を果たすと、マイルChS南部杯(G1)3着、JBCクラシック(G1)2着と善戦し、暮れの東京大賞典(G1)をレコード勝ちしG1ウイナーの仲間入りをした。
現役引退後の2008年にブリーダーズスタリオンステーションで種牡馬入り。以来、種牡馬と試情馬、二足のわらじを履きながら仕事を続けてきた。初年度産駒は今年2歳デビュー。血統登録頭数は11頭と少ないが、すでに6頭が出走し2頭が勝ちあがっている。
4シーズン過ごした地を離れるスターキングマンの旅立ちには、スタリオンスタッフが総出で見送り。「いままでありがとう。向うでも元気で暮らせよ」と好物のニンジンをはなむけに贈られると、名残惜しそうにゆっくりと噛み続けていた。
新たな受け入れ先となる太田ファームの太田雅史さんは「青森もサンデーサイレンスの血を持つ繁殖牝馬が増えてきたので、キングマンボ系のスターキングマンは良いと思います。大切にしていきます」とバトンを引き継いだ。
太田ファームにはスターキングマンの同僚だったフサイチコンコルドも14日に移動済み。すでに環境にも慣れ、元気に新生活を満喫しているという。当初は種牡馬を引退して余生を送る予定だったが、移動後、近隣の生産者から「ぜひ種付けさせてほしい」という要望が複数寄せられたことから結論を保留。太田さんは「しばらく馬の様子を見て種牡馬を引退するか継続するかを決めたい」と話していた。