馬産地ニュース

東京競馬場で「岩手競馬を支援する日」開催

  • 2011年10月13日
  • 盛岡さんさ踊り
    盛岡さんさ踊り
  • 岩手県名産品の物産展
    岩手県名産品の物産展
  • 大盛況だったチャグチャグ馬コ
    大盛況だったチャグチャグ馬コ
  • 多くの来場者が記念写真を撮っていた
    多くの来場者が記念写真を撮っていた
  • 101投票所でのトークショー
    101投票所でのトークショー

 10月10日、JRAは全国の地方競馬主催者と共に「岩手競馬を支援する日」として、マイルCS南部杯(Jpn1)(被災地支援競走)の東京開催をはじめ、様々なイベントを実施した。

 当日は好天に恵まれ、東京競馬場には5万人以上が来場。開門から岩手県盛岡市の伝統馬事芸能「チャグチャグ馬コ」がローズガーデン、日吉ヶ丘エリアで行われ、来場者はあでやかな装束をまとった馬たちを興味深そうに見つめた。大レースのある開催競馬場での披露は珍しく、近くまで寄らないと馬が見えないほどの人だかりができていた。

 岩手県から現地にやってきたのは「静花」、「李蜃」、「花雪」の3頭で、前日に東京競馬場に到着。全て7歳前後の牝馬で、チャグチャグ馬コ同好会、保存会、踊り子の計23名が実施にあたった。最高気温24度の照りつく太陽のもと、15kgの飾り付けに覆われた馬にとっては堪えることかと思いきや、地元岩手の「チャグチャグ馬コまつり」では更なる暑さの中練り歩くそうで、これぐらいは問題ないという。闘争心あらわにコースを駆け抜けていくサラブレッドとは対照的に、優しく穏やかな様子の馬たちに来場者は心を和ませていた。

 イベントのため岩手から同行してきた方にお話を伺うと、「開始してからひっきりなしに見学の方に囲まれて、想像以上の反響に驚きました。記念写真を撮る方も大勢いらっしゃって、こちらとしても嬉しかったです。PRのチラシも配布しましたし、毎年6月第2土曜日に行っているお祭りにも是非お越しいただきたいと思います。」と、汗をふきながら話してくれた。

 東京競馬場の各入場門では「岩手競馬応援フェア」と題して物産展が開かれ、「盛岡冷麺」や「江刺金札米・ひとめぼれ(新米)」、「前沢牛入り具だくさん焼肉のたれ!!」、「江刺りんご」、「わんこそばまんじゅう」など、岩手ならではの商品が並び、終日買い物客がにぎわっていた。正門1階のキッチンカーでは「じゃじゃ麺」、「いわて海の幸カレー」が販売され、岩手の味覚を求めて昼時には長蛇の列ができていた。

 その他、10月9日、10日の2日間にわたって、東京競馬場パドックでは伝統行事「盛岡さんさ踊り」の披露や、10日には東京競馬場101投票所(岩手競馬場外馬券発売所)で鈴木淑子さん、六車奈々さん、矢部美穂さん、岡部玲子さん、井上オークスさん、須田鷹雄さん、古谷剛彦さん、ドクトル松尾さん、ふじポンさんによる「がんばろう岩手応援&絆カップ・南部杯直前予想トークショー」が行われた。長らく岩手競馬を熱心に応援しているタレントのふじポンさんはトークショーで、「皆さんのあたたかい支援にとても感謝しています。今日だけじゃなく、今後も一緒に競馬を盛り上げていきましょう。」と話し、ファンと交流を深めながらPRに努めていた。

 当日、東京競馬場でも発売された「絆カップ」は場内の大型ターフビジョンで映し出され、東京最終レース終了後にも関わらず、多くの競馬ファンが馬券を握りしめ、スタンドから声援を送っていた。その光景からは中央、地方という垣根は微塵も感じなかった。

 マイルCS南部杯(Jpn1)の売上は70億2941万6200円で昨年の約14倍増をマーク。JRAはこの日の売上金166億826万2800円のうち一部を被災地支援に、マイルCS南部杯(Jpn1)の売上の一部を岩手県競馬組合に拠出する。