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ステイヤーズCはサムライジャパンが快勝

  • 2011年09月26日
  • ガッツポーズを決めた小林靖幸騎手
    ガッツポーズを決めた小林靖幸騎手
  • 笑顔で出迎える厩舎の皆さん
    笑顔で出迎える厩舎の皆さん
  • パドックでの様子
    パドックでの様子
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

  9月22日、門別競馬場では第55回ステイヤーズカップ(H1)[シンボリクリスエス賞]が行われた。この競走は現在、ホッカイドウ競馬で行われている重賞では最も古く、そのレース名の通り、ダ2600mの長丁場で争われる。

  今年の顔ぶれは12頭。1番人気は昨年の覇者マキノスパークで、春夏はハイレベルの南関東でしのぎを削り、重賞連覇へ向けてこの秋、北海道に帰ってきた。2番人気はホッカイドウ競馬ではおなじみの女王クラキンコで、前走は交流重賞で地方馬最先着を果たし、地元馬相手のここは無様な競馬はできない。続いて、同じ舞台で行われた王冠賞(H2)でクラキンコの僅差2着があるサムライジャパン、JRAから転入後3着2回と復活を思わせる7歳馬ロードキャニオンが票を集めた。

  9月に入ってからの門別開催は道悪馬場となることがほとんどで、この日も1Rから最終Rまで不良馬場で行われた。レースはリアライズトロイカが逃げ、クラキンコが抑えきれない手応えで2番手を追走。馬群はさして崩れず、ゆったりとした流れで1周目のスタンド前を迎える。ホームストレッチに入るとゲイルバニヤンが中団から一気に押し上げて主導権を握り、クラキンコは行きたがるのをなだめながら4番手、中団にロードキャニオン、後方でサムライジャパン、マキノスパークが末脚を温存して進む。2周目3コーナーに入るとたまらずクラキンコが前に出て、待機勢も連れて追撃を始め、直線へ。クラキンコが一旦抜け出すも、サムライジャパンがじわじわと差を詰め、昨年の王冠賞の再戦ムードに。渾身の叩き合いは残り100mでサムライジャパンが交わし、一年前のリベンジを果たしてゴールイン。外から矢のように伸びたマキノスパークが2着に入り、折り合いに苦労したクラキンコは3着に敗れ、父仔ステイヤーズC制覇はならなかった。上位人気3頭による堅い決着で、勝ち時計は2分47秒9。

  騎乗した小林靖幸騎手は表彰式のインタビューで、「優勝できてほっとしました。道中は折り合いに専念して、馬の邪魔をしないように心がけました。今まで以上の走りを見せてくれましたね。オープンでもいい勝負をしてくれると思いますので、今後も応援宜しくお願いします。」と、語った。サムライジャパンとは22戦中19戦でコンビを組んでおり、今回の勝利で人馬の絆がまた深まったに違いない。レース後は笑顔で引き揚げ、厩務員さんとガッチリと握手を交わしていた。

  サムライジャパンの生産は日高町の戸川牧場。応援に駆けつけていた戸川さんは、「厩舎の皆さん、騎手の努力が実りましたね。これからもケガなく走ってきて欲しいです。」と、喜びを語った。半兄には重賞2勝しているダイシンオレンジがおり、半弟の1歳(父ロージズインメイ)は今年のHBAセレクションセールに上場され、735万円(税込)で取引されている。

  3冠馬、昨年の覇者を破り、2つ目の重賞タイトルを獲得したサムライジャパン。牝馬や転入馬の活躍が目立つ昨今のホッカイドウ競馬にあって、生え抜きの4歳牡馬に奮起してもらいたいというファンも多いだろう。豊富なスタミナと安定感を武器に、今後の重賞戦線でも大いに力を発揮して欲しい。