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アルコセニョーラが引退、故郷で繁殖入り

  • 2011年05月16日
  • アルコセニョーラ-1
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  • アルコセニョーラ-2
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  • アルコセニョーラ-3
    アルコセニョーラ-3
  • アルコセニョーラ-4
    アルコセニョーラ-4

  5月8日に行われた新潟大賞典(G3)で鼻出血を発症し、競走を中止したアルコセニョーラ(牝7歳、父ステイゴールド 母サイレーン 母の父モガンボ)が競走生活を引退、生まれ故郷の畠山牧場(新ひだか町)で繁殖入りする事となった。 

  本馬は2006年8月にデビュー。3歳秋に秋華賞(Jpn1)トライアルの紫苑ステークスを優勝しオープン入り、秋華賞(Jpn1)ではダイワスカーレットの11着に敗れたが、続く福島記念(Jpn3)では軽ハンデ51kgを活かした追い込みをみせて重賞初制覇を果たした。2008年の新潟記念(G3)では16番人気という低評価を覆し、後の天皇賞(春)(G1)馬マイネルキッツを破り重賞2勝目を挙げた。得意の福島・新潟競馬場が舞台となる「サマー2000シリーズ」にも毎年参戦、尻尾を振りながら追い込んで来る本馬の懸命な走りにはファンも多かった。 

  5月12日に登録を抹消した本馬は、満開宣言が出された新ひだか町の名所「静内二十間道路桜並木」の観光渋滞に巻き込まれる事も無く、5月13日の15時過ぎに生まれ故郷の畠山牧場(新ひだか町)に到着した。

  「レースの実況で競走を中止したと聞いたときは心配で堪りませんでしたが、こうして無事に帰ってくることが出来て本当に良かったです。父はサンデーサイレンスの後継種牡馬として有力な1頭となったステイゴールドですし期待しています。もう1度、サマー2000シリーズを走るのを見たかった気もしますが、母サイレーンも18歳と高齢で、そろそろ後継が欲しいと思っていた時期なので結果的に良かったかも知れません。」と語ってくれたのは到着を見守った畠山牧場代表の畠山重博さん。

  本馬を管理した畠山重則調教師(美浦)は重博さんの弟さんだ。兄弟で手がけた活躍馬だけに、無事に帰って来てくれた事に安堵の表情を浮かべていた。

  繁殖シーズンも終盤に入り、今年の種付けに間に合うかどうか分からないが、無事に発情を迎えた時のお相手にはタニノギムレットを予定しているという。アルコセニョーラの馬名の意味はスペイン語で「虹+(既婚の)女性」を意味するそうだ。「セニョリータ(お嬢様)」から素敵な「セニョーラ(奥様)」になる日が楽しみだ。