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メイショウバトラーに半弟が誕生

  • 2010年10月12日
  • メイショウハゴロモ2010~1
    メイショウハゴロモ2010~1
  • メイショウハゴロモ2010~2
    メイショウハゴロモ2010~2
  • メイショウハゴロモ2010~3
    メイショウハゴロモ2010~3
  • 放牧地での様子
    放牧地での様子
  • 母のメイショウハゴロモ
    母のメイショウハゴロモ

 2004年、芝の小倉大賞典(G3)を優勝、その後ダートに転じプロキオンステークス(G3)などダート重賞9勝を挙げているメイショウバトラー(牝10歳、父メイショウホムラ 母メイショウハゴロモ)。未だ現役で活躍中の”女傑”だが、3月20日に10歳下の半弟(父チャクラ)が誕生している。 

 本馬の父チャクラ(牡10歳、父マヤノトップガン 母カーロッサ)は芝の長距離を中心に活躍、2003年ステイヤーズステークス(G2)、2004年目黒記念(G2)と2つの重賞を制した他、7歳時には障害に転向し1勝を挙げた。通算成績48戦4勝。2009年より日高町・日西牧場にて種牡馬入りすると、初年度は8頭に種付けを行った。

 本馬の母メイショウハゴロモはJRA3勝、1999年に繁殖入りし、2000年に生まれた初仔がメイショウバトラーとなる。父母だけでなく、父母のメイショウスキー、母母のメイショウエンゼルという「メイショウ」の松本好雄オーナーこだわりの配合だったが、メイショウバトラーだけでなく、2歳下の全姉弟メイショウディオもJRAで3勝を挙げ、「メイショウハゴロモ×メイショウホムラ」という配合の親和性が証明された後は、ずっとメイショウホムラが配合されてきたが、高齢となった種牡馬メイショウホムラの体力低下もあり2年間不受胎が続き、昨年は(松本オーナーが共有していた)チャクラが配合された。 

 当歳を見せながら「大きな身体に出ましたね。ハゴロモの仔は総じて大きいんですよ。バトラーは初仔だったんですが、お産で脚を掴んだ時にオスかと思うくらい骨太でしっかりしていましたからね。当歳は牡馬ですが、性格は大人しく悪さもしませんよ」と語ってくれたのは生産者の三木田明仁さん。

 メイショウバトラーの活躍のおかげで、地方競馬での勝ち星しか無い半妹メイショウタイム(牝8歳、父メイショウドトウ)、半妹メイショウレッド(牝6歳、父メイショウオウドウ)も無事に繁殖に上がり、今年初仔が誕生している。それぞれの父はメイショウオウドウにメイショウボーラーとこれまた松本好雄オーナーのこだわりが感じられる。 

 「メイショウバトラーは4歳時に屈腱炎を患い、1年半もの長期休養した馬です。当時はオーナーや調教師と『復帰して何とか1つ勝たせたい』と語っていたものです。まさか、そんな馬が、復帰後にダート重賞を9つも勝ち、こんなに長い間無事に走ってくれるなんて信じられません。とにかく感謝の言葉しか有りませんね」と三木田さんは語ってくれた。

 メイショウバトラーは暑い時期に活躍する”夏女”だ。「メイショウバトラーの勝利に立会い、口取りに参加したい」というのが三木田さんの夢だったが、家族経営の牧場では、夏の間は種付けや牧草が忙しく競馬場にはなかなか応援に行けない。時間に余裕の出来る秋には何度か応援に行ったそうだが、その時は2着や3着で惜しくも口取りに加わることは出来なかったそうだ。しかし、メイショウバトラーにとって通算重賞10勝目となる昨年のマリーンカップ(Jpn3)で、ついに口取りに加わることが出来たという。「マリーンカップの開催時期が夏(4月→6月)になったおかげですかね」と笑いながら語る三木田さんだが、念願叶っての口取りだけにさぞ嬉しかったことだろう。 

 「ネットでは”婆さん”って呼ばれてますが、それも愛情込めての呼び方みたいで多くのファンに応援して頂いています。来年からは繁殖入りが決まっていますので、無事に引退して牧場に帰って来てくれることを願いたいですね」と語ってくれた。