馬産地ニュース

五十嵐騎手を招いて~キタジョファームの挑戦

  • 2006年04月12日
  • 完成したトラックを試走する五十嵐冬樹騎手
    完成したトラックを試走する五十嵐冬樹騎手
  • ダート・ウッドチップ坂路、トラックへのスタート地点は1箇所
    ダート・ウッドチップ坂路、トラックへのスタート地点は1箇所
  • 調教監視モニターはネット配信される予定
    調教監視モニターはネット配信される予定
  • 五十嵐騎手を囲む北所社長とスタッフ
    五十嵐騎手を囲む北所社長とスタッフ
3年前の台風10号の災害で壊滅的な被害を受けた新冠町共栄のキタジョファーム。
復旧時には、捨て場の無い土砂や流木を積極的に受け入れ、併行して馬主さんには迷惑をかけられないと、坂路コースの修復に全力を投じて、2ヶ月後には完成。先月には600mのトラックが出来て、2年半振りにようやく牧場の全容が見えた。

復旧には多額の費用が掛かったそうだが、その一部は地方競馬全国協会の補助でJBBAが実施している構造改革支援事業資金を利用している。
北所社長は「負債は大きいですけれど、理想の育成場が完成しました。後はやるだけ、今,動かなくては。僕の目標は、ビッグレッドファームのコスモバルクみたいな競走馬をつくることです。」と、大きな夢の実現に向け構想を語る。

施設は600m屋根付坂路(最大傾斜3.5度)・550mウッドチップ坂路(最大傾斜4度)・600mトラック(直線400mと連結)他に、2ハロン自動計測器と調教監視モニターをつけ、インターネットを通じて、馬主さんに調教状況を直接見てもらう予定という。いずれも、調教師の方などに信頼される育成・調教技術の経験から考えられたものだ。

8日には、コスモバルクのパートナーの道営五十嵐冬樹騎手を招いて、コースの試走が行なわれた。「中央や海外に活躍していく五十嵐騎手に、是非、ここで走って貰いたかった。(目標を同じくする五十嵐騎手に)何れは、うちの馬に乗って貰うつもりです。」と北所社長も満足そう。
同ファームのスタッフ4名と試走した五十嵐騎手も「凄く走りやすいコースでした。感触がとても良いですね。これなら、色々な調教メニューに対応できるし最高ですね。」と期待する。
 二人の競走馬談義は楽しそうに続いていた。

 今、日高で論議される“育成”という課題に、災害から立ち上がり挑戦する育成牧場キタジョファームの活躍を願う関係者も多い。