馬産地コラム

ロジユニヴァースを訪ねて~優駿スタリオンステーション

  • 2016年05月26日
  • ロジユニヴァース
    ロジユニヴァース
  • 種牡馬らしい馬体
    種牡馬らしい馬体
  • 人を見つけると寄ってくる
    人を見つけると寄ってくる
  • 早朝放牧地へ向かう
    早朝放牧地へ向かう
  • 放牧地で草を食む
    放牧地で草を食む

 新冠町の優駿スタリオンステーションで2014年から種牡馬として活躍している2009年の日本ダービー(Jpn1)優勝馬ロジユニヴァースを訪ねた。

 優駿スタリオンステーションは今年、20頭の名種牡馬を繋養していて中でも今年のフェブラリーS(G1)をレースレコード勝ちしたモーニンを産駒にもつヘニーヒューズや、2009、2010年と最優秀ダートホースに君臨し来年初年度産駒がデビューするエスポワールシチーなどに注目が集まっている話題豊富なスタリオンだ。

 ロジユニヴァースは父ネオユニヴァース、母アコースティクス、母の父ケープクロスという血統。ネオユニヴァースの初年度産駒になる。

 競走成績は10戦5勝。2008年7月のメイクデビュー阪神から、10月の札幌2歳S(Jpn3)、12月のラジオNIKKEI杯2歳S(Jpn3)、2009年3月の弥生賞(Jpn2)まで無傷の4連勝を達成。クラシック戦線の有力候補となり迎えた皐月賞(Jpn1)は1番人気に推されたものの14着に敗退し初黒星を喫した。しかし、続く日本ダービー(Jpn1)では、不良馬場を力強く抜け出し4馬身の差をつけて優勝。第76代目の日本ダービー馬となり父ネオユニヴァースとダービー親子二代制覇を成し遂げた。

 「2013年11月にこちらに来たのですが、当初から落ち着いていました。今も変わらず環境に馴染んでいて、種付けが無い時は放牧地ではのんびり過ごしています。体調も良く元気で、頭が良く手がかからない大人しい馬なので携わるスタッフに可愛がられていますよ。」ロジユニヴァースの近況を明るい笑顔で話してくれたのは優駿スタリオンステーションの山崎努主任。今シーズンに向けての準備も確りしてきたそうだ。「冬の間も運動や、食事のカロリーを上げるなどして身体を造り準備をして来ましたので種牡馬らしく逞しい体つきになりました。今は600キロ以上あります。」その甲斐があって、種付けも上手で順調にこなしているという。

 種牡馬となって3年目シーズンを過ごしており、待望の初年度産駒は来年にデビューする。「産駒を見ると、馬体が大きい仔が多く本馬と似ています。馬格があるので、ダートでも芝でも走るのではないでしょうか。来年のデビューが楽しみですね。産駒のタイプをイメージすると、2歳戦などではまだ成長途上かもしれませんが、この馬は2歳時に重賞を勝っているように高い能力で早い時期から活躍馬を送り、古馬になって距離が伸びてから強さを発揮できる馬になってくれるのではないかと想像します。息の長い活躍をする産駒が出ると期待しています。優秀な種牡馬がたくさん活躍していて競争が激しい世界ですが、その中でロジユニヴァースは種馬として残り、良い産駒を送り出して行って欲しいですね。父子で制覇したダービー馬の称号、次に繋げて行ってくれると期待しています。」と力強くエールを贈った。ロジユニヴァースをずっと大切に見守り続けるオーナーやスタッフ、そして多くのファンが産駒の輝かしいデビューと活躍に期待を寄せている。